ロングパスタの種類は?ロングパスタ20選をボ~ノ・イタリア~ノが一覧にしてわかりやすく解説!

皆さんは、どんなパスタが好きですか?平打ちのフィットチーネ派から細めのスパゲッティ派まで、麺の太さによっても好みが分かれるところ。しかし、世界には500種以上のパスタが存在し、ロングパスタにもまだまだ知られていないものがたくさんあるんですよ!

この記事では、ロングパスタの種類についてボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説していきます。

ロングパスタの種類 20選!

断面が円形パスタ

スパゲッティ

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代表的なロングパスタ。イタリア語で「紐」(spago)が語源になっています。スパゲッティの起源は紀元前4世紀まで遡り、ヨーロッパでは古くから食べられてきました。一般的に、スパゲッティは断面が2mm前後の円形のものを指しますが、それよりも細い「スパゲッティーニ」などがあります。スパゲッティはどんなソースとも合いますが、細目の「スパゲッティーニ」はあっさりとした「ボンゴレビアンコ」などと合わせるのがおすすめです。

フェデリーニ

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「スパゲッティーニ」よりもさらに細い円形のパスタ。太さが1.4mm~1.5mmほどのフェデリーニは、表面にざらつきがあるのが特徴です。ソースともよく絡むので、ペペロンチーノなどのオイル系のパスタ料理に向いています。また、ジェノベーゼペーストとも相性がよく、ランチなど手軽に食べたいときにおすすめです。

カペッリーニ・ダンジェロ

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「天使の髪の毛」という意味を持つ、極細のパスタ。英語名で「エンジェル・ヘアー」としても知られています。「カペッリーニ」という円形の麺よりもさらに細く、太さが0.7mm~0.9 mmほど。さらさらとした口当たりがあり、軽めのパスタが好きな人におすすめです。スープに使われることが多いですが、夏場には冷製パスタとしても活躍し、1~2分とすぐに茹で上がるのも魅力です。

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リングイネ

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楕円形のロングパスタ。イタリア語で「舌」(lingua)という意味を持ち、弾力のあるもっちりとした食感が特徴です。パスタの存在感があるので、ジェノベーゼや重めのソースとよく合います。

断面が四角いパスタ

キタッラ

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アブルッツォ州を中心にイタリア中部で食べられるパスタ。「キタッラ」という名前の専用の道具を使いカットすることで、3㎜程の断面が四角い形状になるのが特徴です。仔牛肉やラムを使用したラグーソースと合わせるのが一般的で、本場アブルッツォ州ではパプリカをソースに使う風習があります。

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バヴェッタ

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イタリア語で「赤ちゃんのよだれかけ」を意味するこのパスタは、ふわっと優しい食感が魅力。リグーリア州が発祥の地と言われています。キタッラ・パスタ同様に、「キタッラ」という道具を使って作りますが、キタッラ・パスタよりも薄いのが特徴です。生パスタを茹でるときは、鍋に入れて浮いてから1分ほどで上げるのがコツ。魚介類のソースと合わせて食べるのがおすすめです。

平打ちパスタ

タリアテッレ

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「切る」(Tagliare)という意味を持つ、平打ちパスタの一種。薄く伸ばした生地を5mm~8mmほどの幅に切って作られます。イタリア北東部エミリア・ロマーニャ地方で広く親しまれていて、存在感のあるパスタはミートソースやチーズ系のソースと相性抜群です。

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フェットチーネ

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日本でも馴染みのある平打ちパスタ。イタリアでは中南部の地域で人気があり、古代ローマ時代から食べられてきたと言われています。タリアテッレよりも少し幅が広めなフェットチーネは、濃厚なクリームソースとよく合います。

パッパルデッレ

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「豪快に食べる」「食いしん坊」という意味のこの平打ちパスタは、幅が1cm~3cmと食べ応えがあるのが特徴です。また、厚さが1mmと薄いので、生パスタの場合は2~3分と短時間で茹で上がるのも魅力。存在感のあるパスタに負けないよう、肉類を使った濃厚なソースと合わせるのがおすすめです。

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マファルディーネ

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両端のギザギザが特徴の平打ちパスタ。レジネッテの愛称でも知られています。ナポリが発祥で、もともとは「フェットチーネ・リッチェ」(縮れフェットチーネ)と呼ばれていたと言われています。リボン部分にソースが絡みやすく、コクのあるソースと相性抜群。濃厚なカルボナーラと合わせるのがおすすめです!

トリポリーネ

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カンパーニャ地方が発祥と言われるパスタ。マファルディーネに似ていますが、片方にはギザギザが入っているのに対し、一方は平面なのが特徴です。二種類の異なる舌触りを楽しめます。

タヤリン

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卵をたっぷりと使った濃厚なパスタ。コク深い味わいと喉越しの良さが魅力です。ピエモンテ州で親しまれているこのパスタは、一般的にタリオリーニと呼ばれています。麺そのものにしっかりとした味わいがあるので、バターと白トリュフのソースでシンプルに仕上げるのが定番です。

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シャラテッリ

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イタリア・カンパーニャ州の名物パスタ。一般的なパスタと違い、水の代わりに牛乳を使っているのが特徴で、もちもちとした食感と噛んだときの歯切れの良さを生み出しています。うどんのような極太の麺ですが、ソースと絡みやすいように合わせたときに軽く煮込むため、麺は硬めに茹で上げるのがコツ。ソースには小麦の風味を邪魔しない魚介系のさっぱりとしたものがおすすめです。

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棒状パスタ

トロッコリ

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うどんのようなモチモチとした食感が特徴のパスタ。表面に凹凸が付いた「トロッコラトゥーロ」という棒で、生地を伸ばすように押し切って麺を形成します。生地に卵を使用しないことが多く、麺の素朴な味わいを楽しめます。淡白なソースとの相性が良く、あさりを使ったソースなどがおすすめです。

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ビーゴリ

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プレス機(トルキオ)を使って作る太めのロングパスタ。圧力をかけて生地を絞り出すため、強い弾力のある食感が特徴です。水の都「ヴェネツィア」でも有名なイタリア・ヴェネト州の名物として知られています。伝統的にはそば粉を使って作られていましたが、現在は小麦粉を使うお店も。歯応えのあるビーゴリには、鴨のラグーソースやイワシ、アンチョビを使ったソースなど、濃い味付けのものがよく合います。

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ピチ

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トスカーナ地方が発祥のシンプルなパスタ。小麦粉と塩のみで作られるのが特徴で、もっちりとした食感が楽しめます。特別な道具を使わず、両手の平で転がし太めの棒状にするため、家庭でも簡単に作れるのが魅力。茹で時間は12分ほどで、ボロネーゼソースやクリーム系の重ためのソースと合わせて食べるのがおすすめです。

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筒状パスタ

ツィーテ

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英語名では「ロングマカロニ」と呼ばれる、管状のパスタ。ソースと合わせた時にソースの旨味を吸い、もちもちとした食感が味わえるのが魅力。パスタソースを楽しみたい料理におすすめです。

ショートパスタのようなソースの絡みやすさと、ロングパスタの食べ応えを良いとこ取りしたパスタなのです。ツィーテは直径5mm~8mmほどですが、「ブカティーニ」と呼ばれる直径2mm~3mmほどのさらに細いものもあります。

カンデレ

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南イタリア伝統のロングパスタ。ツィーテよりも大きいサイズが特徴で、カンパーニャ地方を中心に食べられています。キャンドルという意味を持ち、キリスト教礼拝で使われる長いキャンドルが名前の由来。まだ小さな生地を形成する技術がなかったころに、乾燥させたものを折って使っていたと言われています。ラザニアのように、茹でたパスタをラグーソースなどの重めのソースと一緒にオーブンで焼き上げるのが一般的です。

フジッリ・ルンギ・ブカーティ

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ラーメンのような「うねり」のあるパスタ。カールマカロニの名で知られる螺旋状のショートパスタ「フジッリ」と、中が空洞のロングパスタ「ブカティーニ」を掛け合わせた作りが特徴です。カンパーニャ地方が発祥と言われていて、本場イタリアでは、ナポリタンソースやラグーソース、ナポリ風ジェノベーゼ(玉ねぎと牛肉を煮込んだブラウンソース)と合わせて食べられています。

その他

ラザニア(ラザーニャ)

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日本でも人気のあるラザニアは、元はナポリの名物。古代ローマで使われていた「ラサヌム(lasanum)」という浅い鍋で作るパスタ料理がラザニアになったと言われています。

大きくて薄いパスタなので、茹でる際は平たい浅手の鍋を使うのがおすすめです。取り出すときはトングではなく、木の棒で破れないように優しく扱うのがコツ。本場イタリアにはさまざまなラザニア料理があり、ラザニア生地を花びらのように巻いた「ニーディ・ディ・ラザーニェ」というロマーニャ地方の郷土料理もその一つです。

ロングパスタの種類はこんなにある!

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ロングパスタには断面が円形のスパゲティや平打ちのフィットチーネ以外にもさまざまな形状のものがあります。また、サイズによって名前が変わるのも特徴です。ちなみにイタリアの伝統的なロングパスタはこの他にもさまざまな種類があり、現地でしか食べられないパスタもあります。皆さんもイタリアに訪れた際は、ぜひ好みのものを見つけてみてくださいね。

※画像はイメージです。
※「生パスタの技術」に掲載した内容を再編集しています。