ショートパスタと詰め物パスタの種類ってどれくらいあるの?ボ~ノ・イタリア~ノが一覧にしてわかりやすく解説!

日本でも馴染みのあるパスタとして、スパゲッティやペンネ、マカロニなどがありますが、なんと世界には500種以上のパスタが存在します!本場イタリアでは、地域の食材と合わせてさまざまなパスタが食べられているんですよ。

この記事では、ショートパスタや詰め物パスタの種類についてボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説していきます。

ショートパスタと詰め物パスタ 30選!

筒状パスタ

マカロニ

画像素材:iStock

日本でも王道の筒状パスタ。イタリアでは「マッケローニ」と呼ばれています。筒の直径が3mm~5mmと程よいサイズで食べやすく、各国で親しまれています。サラダやグラタンに向いていて、アメリカではチーズと一緒にオーブンで焼いた「マカロニ・アンド・チーズ(Mac & Cheese)」が有名です。

カヴァタッピ

画像素材:iStock

「栓抜き」という意味を持つ、マカロニをねじったようなパスタ。ソースが絡みやすい形状で、トマトソースや魚介類のソースとの相性が抜群です。

リガトーニ

画像素材:iStock

マカロニよりも少し大きく、すじ(riga)が入っているのが特徴。イタリア・ローマでは、「アマトリチャーナ」(トマトと玉ねぎのパスタ)にして食べられることが多いです。すじにソースが良く絡むので、トマトソースや肉を使った重めのソースがおすすめです。

ペンネ

画像素材:iStock

イタリアのカンパニア州やシチリア州で人気のあるショートパスタ。日本でも馴染みのあるパスタで、ペンネ・アラビアータ(唐辛子入りのトマトソース)やグラタンなどの料理で使われています。「ペン」や「羽根」(Penna)という意味を持つこのパスタは、先がとがっているため、ソースが中に入りやすいのが特徴。ペンネはつるんとした表面ですが、すじが入った「ペンネリガーテ」という種類もあり、ソースを楽しみたいときにおすすめです。

ガルガネッリ

画像素材:iStock

ペンネのような筒状のショートパスタ。エミリア・ロマーニャ州の名物で、卵をたっぷりと使っているのが特徴です。生地にルッコラやほうれん草、ビーツなどを練り込むことも多いんですよ。ペッティエと呼ばれる専用の器具を使いクルクル巻いて作ります。もちもちとした食感が魅力のガルガネッリには、トマトベースやチーズ系のソースなど、しっかりとした味わいのものがよく合います。

↓ガルガネッリについて詳しく知りたい方はこちら!

マニケ

画像素材:iStock

「袖」という意味の筒状パスタ。直径が2~3cm程と筒状パスタの中でも太さがあるのが特徴で、食べ応えがありあります。中に肉や野菜、チーズなどを入れて食べることも。すじが入った「マニケリガーテ」や、マニケよりも短い「メッゼマニケ」などバリエーションが豊富で、調理に合わせて使えるのも魅力です。

棒状のパスタ

ブシアーティ

画像素材:iStock

シチリア最西端の港町・トラーパニ地区の名物。生地を細い棒に巻き付け、ねじって作ります。中は空洞で、外側には不規則な溝ができているため、食べるところによって食感が変わり、作るときも食べるときも楽しめるパスタです。ねじった部分にソースがよく絡むので、ムール貝や魚介類をふんだんに使ったトマトソースなど、濃厚なソースと相性が抜群。

ストロツァプレーティ

画像素材:iStock

イタリア北東部エミリア・ロマーニャ州発祥とされる、「よじれ」が特徴的な生パスタ。もちもちとした弾力の歯ごたえがあります。ねじった部分にソースが絡みやすく、食べ応えがあるので、ボロネーゼや魚介類などの濃厚なソースと相性抜群です。

カサレッチェ

画像素材:iStock

イタリア・シチリア地方が発祥の珍しい形のパスタ。断面がS字になり、溝の部分にソースが良く絡むのが特徴です。トマト風味のパスタ料理と相性がよく、ソースの酸味とパスタのもちもち感が一緒に味わえるのが魅力です。茹でるときは硬めではなく、12分ほど適度に茹でるとソースと絡まりやすくなります。

トローフィエ

画像素材:iStock

「かんなくず」という意味を持つ、3~5cmほどの棒状パスタ。手のひらでこすり合わせて作るため、食べたときに粉の旨味を感じられます。イタリア・ジェノヴァ地方が発祥と言われていて、本場ではジェノベーゼソースと合わせて食べるのが一般的です。

↓トローフィエについて詳しく知りたい方はこちら!

スパッツェル

画像素材:iStock

もちもちとした食感が特徴の小粒のニョッキ。小さな穴の開いた専用の器具を使って生地を鍋に落とした後、日本の「ほうとう」のように麺が浮いてくるまで茹で上げます。手軽に作れることからも、イタリアのチロル地域をはじめ、ドイツやオーストラリアなどのさまざまな国で郷土料理として根付いています。

↓スパッツェルについて詳しく知りたい方はこちら!

丸い形状のパスタ

ニョッキ

画像素材:iStock

ジャガイモと小麦粉を合わせて団子状にしたパスタで、もちもちとした食感が特徴。本場イタリアでは馴染みのあるパスタで、古代ローマ時代から食べられてきたと言われています。生地にリコッタチーズやカボチャ、ほうれん草などの旬の食材を加え、いろいろな楽しみ方ができるのも魅力。どんな種類のソースとも合いますが、クリームソースはニョッキの甘みを引き出してくれるのでおすすめです。

↓ニョッキについて詳しく知りたい方はこちら!

オレキエッテ

画像素材:iStock

プーリア州の名物パスタ。細かく切り分けた生地のまん中を親指で押さえて成型します。まん中部分がへこんでいるのが特徴で、厚みのある部分と薄い部分の食感の変化が楽しめます。もちもちとした弾力のあるオレキエッテはアサリや菜の花と一緒にオイルで炒めるのもおすすめです。

↓オレキエッテについて詳しく知りたい方はこちら!

ロリギッタス

画像素材:iStock

サルデーニャ島が発祥のリング状パスタ。伝統的に11月1日の諸聖人などの特別な日に食べられています。直径2~3cmほどの棒状にした生地を指に巻き付けた後、ねじるよう取り出して作ります。生地がよく練られているため、もちもちとした食感が楽しめます。作りたてはリングがほどけてしまうので、一度乾燥させてから5分ほど茹でると見た目もきれいに仕上がります。

ユニークな形のパスタ

フジッリ/ スピラーレ

画像素材:iStock

螺旋状の形をしたパスタ。日本ではカールマカロニの名で親しまれています。ドレッシングによく絡むので、マヨネーズなどを使ったサラダにおすすめです。また、寒い季節には、スープに入れると食感のアクセントになります。乾燥パスタの茹で時間は8~10分ほどですが、茹ですぎると芯がなくなりやすいので、パスタ料理の際には早めに取り上げて茹で状態を確認してみましょう。

コンキリエ

画像素材:iStock

舌触りがつるんとしていて、食感を楽しめるパスタです。イタリア語で「貝殻」(conchiglie)という意味を持ち、大きいものは「コンキリオーニ」、小さいものは「コンキリエッテ」と呼ばれています。「コンキリオーニ」には具材を入れて食べられることも。コンキリエはサラダの他に煮込み料理などにも使え、さまざまな料理で活躍します。

ルマコーニ

画像素材:iStock

「かたつむり」(lumaca)が語源のショートパスタ。イタリアでは家庭やレストランでよく食べられていて、ソースと絡めたり、スープに入れられます。また、大きいマルコーニはミートソースやチーズなどの具材を詰めることも。

ストリケッティ

画像素材:iStock

エミリア・ロマーニャ州のパスタで、ファルファッレの名前でも親しまれています。薄くのばした四角い生地を蝶のような立体的な形にするため、ソースがよく絡むのが特徴です。発色のよい食材を合わせてバリエーションを出すことが多く、ほうれん草やトマトの他に、ビーツなどを練り込むことも。軽めのソースから濃いソースまで、どんなソースとも合う万能パスタです。

ルオーテ

画像素材:iStock

車輪の形が特徴のショートパスタの一種。英語名では「ホイール」と呼ばれ、日本でもスープに使われることが多いパスタです。トマトスープとの相性が良く、スープに入れるだけで見た目がガラリと変わるのも魅力です。

リゾーニ

画像素材:iStock

「米」(Rison)という意味を持つショートパスタ。その名の通り、米のような形状をしているため、火が通りやすいのが特徴。つるっと、もちっとした食感が楽しめます。イタリアではスープやサラダに使われ、米の代わりにリゾットなどに入れることもあります。また、イタリア以外の国でも使われ、トルコ料理では「シェフリエ」、ギリシャ料理では「クリタラーキ」と呼ばれています。リゾーニより細長いセミーニという種類もあり、料理に少し入れるだけでいつもと違う食感を味わえるのが魅力です。

ピッツォッケリ

画像素材:iStock

北イタリア・ロンバルディア州で人気のあるそば粉のパスタ。やや厚めの短冊型のピッツォッケリは、噛めば噛むほど口の中にそば粉の香りが広がります!また、そば粉と小麦粉を同割にしたり、そば粉100%で作るなど、好みに合わせて配合を変えられます。本場ロンバルディア州では、ちりめんキャベツやジャガイモに加え、コクのあるバターやチーズをたっぷりと使ったソースと合わせて食べられています。

↓ピッツォッケリについて詳しく知りたい方はこちら!

テスタローリ

写真撮影:Taverna I

イタリア最古の歴史を持つパスタ。古代ローマ時代から食べられていて、トスカーナ北部のルニジャーナ地方が発祥と言われています。練ったり、伸ばしたりする作業はなく、浅鍋を使いクレープのように焼いて作られます。ジェノベーゼソースを上からかけて食べるのが定番スタイル。ふわっとした優しい食感が特徴で、生地の素朴な味わいを楽しめます。

↓テスタローリについて詳しく知りたい方はこちら!

クロゼッティ

画像素材:iStock

つるんと柔らかい食感が魅力のコイン型パスタ。丸く切り抜いた生地に模様が掘られたスタンプを挟んで作るため、パスタに絵柄がついているのが特徴です。リーグリア州の郷土料理で、古くは紋章が押されていたと言われています。茹でたクロゼッティにバターとパルメジャンチーズを絡め、ソースは別添えにして食べるのが一般的。ソースはマジョラム(ハーブ)入りの松の実ソース「ピノーリ」やジェノベーゼソースが定番です。

詰め物パスタ

ラビオリ

画像素材:iStock

二枚の生地にひき肉や野菜、チーズなどを詰めて作るイタリアの伝統的なパスタ。イタリア各地で郷土料理として人気があります。イタリア語で「かぶ」(Rapa)という語源を持ち、かぶをチーズで挟んだ中世の料理が由来とされています。生パスタや冷凍パスタとして売られる「ラビオリ」の茹で時間は2~3分と短め。ミートソースやチーズをたっぷりと使ったクリームソースと合わせるのがおすすめです。

トルテッリーニ

画像素材:iStock

イタリア・ボローニャの名物。詰め物をのせた正方形の生地を三角に折り、指輪上にしたパスタです。中に豚ロースや生ハム、パルメジャンチーズなどを詰め、鶏ガラのスープに入れて食べるのが一般的。本場ボローニャではクリスマスによく食べられています。

カッペレッティ

画像素材:iStock

カッペレッティとは帽子の形をした詰め物パスタのこと。イタリア北部のエミリア・ロマーニャ地方が発祥の地とされています。詰め物には、肉やチーズなどの具材が入れられます。また、ラグーソースやクリームソース、トマトソースなど、さまざまなソースと相性が良いので、詰め物の内容に合わせて変えられるのも魅力です。

↓カッペレッティについて詳しく知りたい方はこちら!

メッツァルーナ

画像素材:iStock

イタリア・ピエモンテ州の名物料理。生地にはすり潰したジャガイモや、北イタリア地域の特産品であるチーズやバターが練り込まれているのが特徴です。「半分の月」という意味のこのパスタは、丸形にくり抜いた生地にチーズやほうれん草、マッシュルーム、牛肉、魚介など、好みの具材を入れて半分に折って作ります。

↓メッツァルーナについて詳しく知りたい方はこちら!

アニョロッティ・デル・プリン

画像素材:iStock

「つまんで閉じる」という意味を持ち、その名の通り、具材の詰め方が特徴的なパスタ。長方形に成形した生地の上に等間隔で詰め物を置き、生地を折り返して被せ、詰め物の間をつまんで閉じた後、カッターで切り離して作ります。生地には水を使わず、卵黄の水分でこねて作るのがポイント。残り物を詰め物にするのが一般的なリピエノ(詰め物料理)ですが、ピエモンテ州北部ではクリスマスなどの特別な日に食べられていて、ウサギや七面鳥などの肉が贅沢に使われます。

ファゴッティーニ

画像素材:iStock

小さな包み(布巾着)という名の詰め物パスタ。正方形の生地に具をのせ、四隅を合わせて巾着型にして作ります。生地を噛んだときに詰め物の香りがふわっと抜けるのが魅力。中の具材には、さやいんげんやニンジンなどの香りが楽しめる野菜のペーストや、チーズを入れることが多く、イタリア中部トスカーナ地方では祝い事の席で食べられています。

↓ファゴッティーニについて詳しく知りたい方はこちら!

カネロニ

画像素材:iStock

「大きな葦」を意味する、南イタリアの料理。長方形に形成したパスタに詰め物を入れ巻き上げ、バターやソース、チーズと共にオーブンで焼き上げます。中の詰め物にはリコッタチーズが使われることが多く、ほうれん草のペーストとリコッタチーズの組み合わせは絶品。またラザニアと異なり、1人分ずつ作れる上、本数や太さによってボリュームを調整できるという利点もあります。

↓カネロニについて詳しく知りたい方はこちら!

ショートパスタの種類はこんなにある!

画像素材:iStock

日本でも馴染みのあるマカロニやペンネから、イタリアの地方が発祥のあまり知られていないパスタまで、ショートパスタにはさまざまな種類があります。みなさんも、食べたことのないパスタにぜひ挑戦してみてくださいね。

※画像はイメージです。
※「生パスタの技術」に掲載した内容を再編集しています。