すし店のお茶の湯呑みはなぜ大きい?どんなお茶が使われているの?すしマニアが解説

すし店に入るとお茶を出してくれるお店は多いですが、なぜすし店だけ他と比べて湯飲み茶碗が大きいのでしょうか?そして、このお茶の正体とは?

ここではすしに関する本を多く出版してきたすしマニア編集部がすし店のお茶にについて解説していきます。すしに詳しくなりたい人におすすめ!

なぜすし店の湯呑みは大きい?

画像素材:写真AC

すし店では飲み物の注文がない限り、最初から大きな湯飲み茶碗でお茶が出されます。これは、すしを食べていくときに口の中に残る魚の味をお茶で一度洗い、それから次のすしを味わってくださいという目的から。つまり、舌に残る魚の脂を洗う口直しのため。そのために、熱いお茶をたっぷりと出すのです。

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では、いつ頃からこうしたスタイルが始まったのでしょうか?正確なことはわかりませんが、屋台のすし屋から始まったといわれています。屋台のすし屋は1人で商売しなければならないので、お客のお茶を何度も入れ替えなくてすむように。手間を省くために大きな湯呑みで出したそう。

さらに、分厚くて大きな湯呑み茶碗は、すしを食べている間、お茶が冷めにくいという利点も。これがいまのすし店にも引き継がれているのです。

すし店で使われているお茶の種類は?

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すし店では粉茶を用いているところが多く、粉茶を茶漉しに入れ、上から熱い湯を注いで出します。

では、なぜ粉茶を使うのでしょうか。粉茶はお茶を入れても香りと味は出るので、手間も時間もかからないことがあげられますが、さらにもうひとつ理由があります。それは、すしの味を「まずくさせない」ため。実は玉露や良質の煎茶はテアニンという甘みのある成分が多く、それが味覚を麻痺させてすしの味をまずくさせてしまうのです。

すし店のお茶はおいしくないほうがいい?

実はすしに向くお茶は、テアニンを含まない、タンニンの渋みだけのお茶の方が向いているのです。すしを本当においしく食べたいのであれば、いいお茶を求めないほうがいいということになりますね。

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※「食事が楽しくなる 会話が広がる おいしいクイズ111」に掲載した内容を再編集しています