カレーにおけるスパイスとは?焙煎やブレンド方法についてカレーマニアが解説

カレーはスパイスの扱い方によって味が決まります。複数のスパイスが織りなす味の相乗効果を楽しむものと言えるでしょう。

ここではカレーに関する本を多く出版してきたカレーマニア編集部がスパイスについて解説していきます。スパイスのブレンド・焙煎の方法を知り、スパイス名人を目指しましょう。

スパイスとは?

画像素材:写真AC

スパイスと一口で言っても、葉、茎、種子、果実といろいろあり、さらに1つのスパイスでも、ホールもしくはパウダーを使うかにより風味は格段に変わります。

■スパイスの形状の種類
・ホール
乾燥させた元の形状のもの
・粗挽き
ホールを粗めにひいたもの
・パウダー
ホールを粉状に粉砕したもの

ホールは、長時間加熱しても香りは飛びにくいですが、短時間加熱だと香りが出にくいです。またパウダーになるほど、長時間加熱は香りが飛びやすいですが、短時間加熱は香りがでやすいという傾向に。

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カレーにおけるスパイスの効果は「辛み・香り・色づけ」になります。

■辛み
辛みには食欲増進の働きがあります。カレーの辛みを作る主体はたいてい唐辛子ですが、複数の辛みスパイスを用いることによって、辛さにさらに深みを与えることができます。ペッパー類・生姜類は、チリペッパーよりもさっぱりとしており、料理のアクセントにもなる個性的な辛さ。

■香り
カレーがカレーたるのは、いかにも食欲をそそる香りのためです。その正体は、主にスパイスによるもので複数のスパイスを使うことにより、さらに格別なよい香りを醸し出します。香りをつけるだけではなく、スパイスには肉や魚の臭みを消し、保存性を保つ効果もあります。

■色づけ
鮮やかな色合いは、料理の大事な要素。インドカレーの鮮やかな黄色、欧風カレーの深みのある茶色、タイカレーのやさしい緑色など、どれもカレー独特の食欲をそそる色です。ターメリックやパプリカは風味や香りづけの要素もありますが、それよりも色づけとしての役割が大きいのです。

スパイスはブレンド・焙煎して香りを出す

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スパイスは似た香りを持つ、スパイスを数種類合わせて使うと、香りがよくまとまる傾向に。さらに、チリペッパーの辛みが立ちすぎているときは、シナモンなどの甘みのあるスパイスを少し多めに加えると、マイルドな辛みを作ることも。

スパイスをブレンドしたら、次は焙煎に入ります。ここでもきちんと香りを出すためのポイントがあり、鍋にいれるときには、ホールはホール、パウダーはパウダーと粒子がそろったものを合わせること。なぜなら種類によって、火加減や時間などが違うのです。

粒子の細かいパウダーは、強火で炒ってはいけません。ここで焦がしてしまうと、せっかくの香りがだいなしになります。逆にホールのスパイスは、焦がさない程度の強火で香りを出すように心がけます。強い香りのまま使いたい場合は、炒りたてのスパイスを使用。まろやかな香りにしたい場合は、密閉容器に保存して熟成させると香りが丸くなります。

香ばしいスパイスの香りがカレーをおいしくする!

カレーはさまざまなスパイスをブレンドして焙煎することで、独特の香りと素材のうまみを引き出すようになるのです。スパイスの形状やその特徴、それぞれの働きを知っておくとよりカレーを楽しむことができますよ!

※画像はイメージです
※「カレー大全」に掲載した内容を再編集しています