コーヒーの品種ってどれくらいあるの?カフェマニアが解説

ティピカ種やゲイシャ種など、コーヒーにはさまざま品種がありますが、世界にはどれくらいの品種があるのでしょうか?

ここではカフェやコーヒーに関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部が世界中のコーヒーの品種を一覧にして解説。もっとコーヒーについて詳しくなりたい人におすすめ!

コーヒーの品種は大きく分けて2種類ある

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まず覚えてほしいのは、コーヒーは2つの品種に分けられるということ。そして、ティピカ種やブルボン種など、有名な品種はほぼアラビカ種という大きなグループに属しています。

アラビカ種
コーヒーの木の2大品種の1つ。原産地はエチオピアで栽培標高は400〜2500メートル。最適な年間雨量は1500〜1800ミリで、厳格な雨季・乾季が分かれた地域が栽培に適しています。栽培上の問題点として、病虫害と霜害に弱い点がありますが、素晴らしい香味が出るのが強み。カフェイン含有率は下で紹介するロブスタ種の半分くらいというのもメリット。

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ロブスタ種
カネフオラ種とも呼ばれます。原産地は中央アフリカのコンゴ。栽培標高は0〜700メートルで、年間雨量が200〜3000ミリの地域でも栽培可能。主な生産地はベトナム、アイボリー(コートジボワール)など。病虫害に強い品種で、アラビカ種より栽培がしやすいという点があります。豆の形状は丸めで表面はやや平らで、アラビカ種より小粒。

アラビカ種の品種 その1

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そして、アラビカ種の品種の中でも有名なのがこの2つ。さらにティピカとブルボンが改良されたり、交配されたりして新しい品種が作られています。

ティピカ
エチオピアの南西部が原産のコーヒーの品種。 最も古い品種と言われています。系統としてジャマイカのブルーマウンテン、ハワイ・コナ、インドネシア・マンデリンが代表で、ソフトで調和が取れたコーヒーとして世界中で人気。

■ブルボン
インド洋ブルボン島(レ・ユニオン島)で発見されたコーヒーの品種。ティピカからの突然変異と考えられています。 ブラジルで多く栽培され、さわやかな甘い口当たりが特徴。

アラビカ種の品種 その2

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厶ンドノーボ
ブラジルで発見された、ティピカとブルボンの自然交配種から改良された品種。

カツーラ
ブラジルのミナスジェライス州で発見された品種で、ブルボンの突然変異とされています。成長が良好の品種で、多収穫も見込めるために、中米やコロンビア、南米など栽培国は拡大。

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マラゴジッペ
ティピカの突然変異と言われています。ブラジルのバイア州で発見された、豆のサイズが明らかに大きな品種。

■ケント
ティピカか他の品種との交雑種とも、突然変異とも言われます。インドのマイソール地方の農園で1920年頃に発見された品種。インドのK-7という品種はケントから育成された品種で、コーヒー最大の病害・サビ病に強い品種であることが特徴。

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ゲイシャ
エチオピアのゲシャ地区で栽培される品種。その発音の「ゲイシャ」が日本人に親しみが持てるためか、この呼び方が日本では広まっています。そのジャスミンに例えられる香味は、一気に世界に名を轟かせました。品評会では、エスメラルダ・ゲイシャの高評価時代が続き、さらに世界最高落札価格を更新したこともあり、その知名度を広めました。

ハイブリッド種(アラビカ種+交雑種)

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■ハイブリッド・ティモール種
東ティモールでは1890年代にサビ病で主な品種が絶滅しましたが、自然交配で生まれたハイブリット・ティモール種が生き残り現在に至っています。東ティモール・オーガニックという名称でも呼ばれ、農薬・化学肥料などを一切使わず豊かな自然の力を最大限に活用して栽培されています。

カティモール
インドネシアのハイブリット・ティモールとカツーラを交配させ、育成された品種。自然ハイブリッドの染色体を有する品種なので、新しい品種育成の素材として活用されることがあることも。

■バリエダコロンビア
カツーラとティモールを交配させたハイブリッド品種。サビ病に強く、生産量増量のためにコロンビアで1980年頃より普及しました。

コーヒーの品種はこれだけある!

世界中でコーヒー人気が高まるにつれ、さまざまな品種が作られてきたので分類も複雑になってきました。コーヒーの品種を知るとより深くコーヒーを味わうことができますよ。ぜひいろいろな品種を試してみてくださいね。

※画像はイメージです
※「コーヒー焙煎用語ブック」に掲載した内容を再編集しています