1980年代のモーニングセットを眺めながらレトロ朝食巡り！「喫茶＆スナック1981年8月号」

喫茶店は1980年代に全盛期を迎え、当時は全国に15万軒くらいあったそう！今では、ファミレスやファストフード店では当然のようにある朝食メニューですが、「モーニング」といえばかつて喫茶店のお株ではありました。

今でもコーヒーとパンという組み合わせはあまり変わっていないのですが、現代にはないレトロでどこかユニークな朝食メニューがたくさんあったのです！ここでは昭和56年（1981年）に旭屋出版から刊行された「喫茶＆スナック8月号」を見ながら、過去の喫茶店の世界を巡ってみましょう。

80年代前半、朝食マーケットは大きな可能性を秘めていた！

フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く作っており、1980年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶＆スナック」を制作していました。今回は8月号の記事を見てみましょう！

記事によると、この時代の朝食マーケットを支えていたのは、ごく一部の飲食店や駅のスタンドを除けば、喫茶店だけだったとのこと。そして、この時代から朝食のマーケットは拡大したとのことで、ファミレスも勢力を伸ばしていた様子。なんと「サラリーマンの3割が外で朝食を済ます」という調査結果もあったようで、これはチャンスと魅力的なモーニングセットがたくさん登場したという時代でもあったのです。

とにかく楽しすぎるモーニング

それでは、紙面を見ていきましょう。基本的にパン+玉子料理のモーニングセットというのは、今も昔もあまり変わらないのですが、当時は競争が激しくなり、遊び心溢れるメニューもいくつか登場してきたようです。

例えば、この「りんぐぱんセット」のまさかのビジュアル……。このお店は女性客が多かったということで、輪投げのポールをそのまま利用したというけれど、これは一体？まさかこの店では友達同士でパンを輪投げをして遊ぶの流行っていた！？謎は深まるばかりですね……。

そして、こちらのモーニングセットの食器を見ると時代を感じるところ……。「大人に夢を売る喫茶店」というのがコンセプトのようで、ポパイのコーヒーカップは今でもありそうですが、このライオン型の玉子専用の容器はなかなかユニーク。昭和ならではのセンスが光るセットですね！

こう来たか！昭和ならではのボリューム朝食

腹が減っては戦はできぬ……ということで、戦うサラリーマンのためのボリュームを追求したメニューを見てみましょう。

こちらのモーニングセットは喫茶店なのに、なんと焼きうどん！まるで名古屋のモーニングのようにボリューミーですが、これが東京で提供されていたということが驚きですね。しかも、喫茶店ということでフォークを添えて提供していたというから、スパゲティ感覚で食べるメニューだったのでしょう。

そして、見た目でお腹いっぱいになりそうなのがこちら。朝からコーンフレークは分かるのですが、まさかのベーコンを巻いたフランクフルトがセットになっています。これが1日30セットも売れていたというから驚き！「栄養のバランスもよくとれたモーニングセット」とかなりポジティブに紹介されていますが、健康ブームが続く現代では企画段階でNGになりそう……。

ちょっと真似したくなる小技が光るモーニング

当時はまだまだパン食に馴染みがない人もいたらしく、そんな方々に向けたのがこの和風喫茶のモーニングセット。なるほど！海苔を使えばご飯派の人でもパンもおいしくいただけたそうで、マーガリンを塗って醤油をつけて焼いた海苔トーストは年配客にも人気があったとのこと。食の西洋化も徐々に進んでいたようですね。

そして、こちらのモーニングサービスは、ちょっと趣向が変わったセット。トーストとコーヒーのオーソドックスなセットに紅茶玉子を加えています。この紅茶玉子は醤油と塩、紅茶、スープにゆで玉子を煮詰めて作ったもので、まさに朝食にぴったりの爽やかメニューだったのでしょう！ノーマルなゆで玉子に比べるとトーストとの相性も良さそう。

80年代のモーニングは今見るとすごく面白い！

まだ喫茶店が全盛期の時代ならではの個性あふれるメニューがたくさんありましたね！今では、ファミレスやファストフード店では当然のようにある朝食メニューも、ひと昔前だと結構違うもの。現在では味わうことはできませんが、斬新なアイデアも多いので、おうちで再現してみるのはいかがでしょうか？（ただし、カロリーはすごく高そうなので要注意！）

※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。