コールドブリューコーヒーの抽出器具の選び方

抽出器具の選び方(取材協力:HARIO ㈱)
昨今のコールドブリューコーヒーの流行を受けて、いざ導入を考える際、どういった抽出器具を選ぶのかが自店のコーヒーの味を左右する重要なポイントとなる。そこで、水出しの器具を種類を豊富に展開するHARIO㈱に、その種類と特性について教えてもらった。器具選びの参考にして欲しい。
器具の話の前にコールドブリューコーヒーの特長について触れておきたい。水で抽出するため熱による酸化がなく、苦みや渋みのもとになるタンニンやカフェイン等の成分が溶け出しにくくなる。そのためまろやかで甘みのあるコーヒーができあがる。また、抽出後すぐに冷蔵庫で管理でき、酸化の進みも遅いため、抽出後3~4日ほど保存がきき、作り置きできるのも利点だ。
手を掛けて理想の味を探究するか、手軽に安定した美味しさを実現するか
抽出器具は3タイプに分けられる。まず大きく二つに分けて、ドリップコーヒーのように1滴ずつゆっくりと水を落としながら抽出するタイプ(HARIOでは「滴下式」と呼ぶ)と、コーヒー粉を水に長時間浸して抽出するタイプ(HARIOでは「浸漬式」と呼ぶ)がある。さらに滴下式が二つに枝分かれし、滴下速度を自分で調整できるタイプと、適当な速度で滴下するよう設計された調整不要のタイプがある。
今回抽出器具による味の違いを調べるために、これら3タイプで実際に抽出を行なった。コーヒー豆は、水出しでもコーヒーの味が出やすく色味も濃い深煎りを使用。また水出しの場合、粗挽きだと成分が出にくいので中挽き以下で器具のメッシュの細かさに合わせて挽き分けた。それぞれ同じ品種・焙煎度の豆、常温の軟水を使用したが、味わいの違いは歴然だった。滴下式はコクのある甘み、浸漬式はすっきりした甘みが感じられ、さらに調整可能の滴下式ではマイルドで上品な味わいも感じられた。
操作性の違いも、器具選びの重要な要素だろう。滴下速度を調整できるタイプは、滴下パーツのつまみを回して調整する。水の量が減ってくると抽出速度も変わるため、速度変化に注視して手を掛ける大変さはあるが、それよって理想の味わいを追求することができるため、コーヒーに強いこだわりを持ち、手塩にかける喜びを感じる人に向く。またそうした所作や、ポタポタとコーヒーが抽出される様子をお客に訴求できる点も大きい。
一方、フードメニューに手をかけたいなど、コーヒーは簡単さや味の安定を優先したい人であれば浸漬式がうってつけ。浸け置くだけだが、コーヒー粉の量や浸け置く時間の調整で、多少味わいの調整も可能だ。そして、その両方のメリットを兼ね備えるのが、調整不要の滴下式になる。水を氷水または氷に置き換えれば、低温でゆっくり抽出でき、まろやかな味わいにできる。
他にも、デザイン性、実用容量、洗浄のしやすさ、素材の耐久性などにも気を配りたい。ぜひ自店に最適な器具を選び、上質な1杯を提供して欲しい。
参考資料:進化系「アイスコーヒー」の技術とメニュー
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