「木の芽」とはどんなもの?どんな料理に使う?和道一筋がわかりやすく解説!

皆さんは「木の芽(きのめ)」という食材をご存知でしょうか。あまり馴染みのない人もいるかもしれませんが、実は日本料理にとって重要な春の食材なんです。

この記事では和道一筋が木の芽の特徴や、木の芽を使った料理ついて解説していきます。

そもそも「木の芽」とはどんなもの?

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木の芽とは、春先に出た山椒の若芽のこと。すがすがしい香りが特徴の、日本料理には欠かせない香辛料です。吸い物や焼き物のあしらいとしてもよく使われています。

実のイメージが強い山椒ですが、実は春先に芽吹いた時から食材として使われているんですね。

また基本は山野に自生していますが、都会のちょっとした林など、意外に身近なところでも見つけることができますよ。自生のものと栽培されたものでは見た目も香りの力強さも違うんです。

春には木の芽として使われていますが、季節が進むと名前を変えて使われていきます。春には木の芽だったのが、5月は香り葉、8月から9月は葉山椒に。それより後、9月の彼岸から3月の彼岸までは使わないのが日本料理の約束になっています。その間は、代わりに吸い口(吸い物に入れる香味類)には茗荷や柚子が使われるのです。

「木の芽」を使った料理は何がある?

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春が旬の木の芽は、「木の芽和え」が最も代表的な料理と言えるでしょう。木の芽を当たり鉢(食材をすりつぶす鉢)ですりつぶした後、味噌や砂糖で味付けし、ウドや筍、イカなどを和えた、春らしい料理です。

他には、甘味噌にすりつぶした木の芽を加えた「木の芽味噌」という合わせ味噌もありますよ。

また、木の芽は料理にするだけでなく、魚を毒消しする目的で使われることもあるんです。木の芽が取れる3月から4月頃、ヤマメなどの魚を刺身にする時、木の芽を加えた水で洗って毒消しをする手法で、「山椒洗い」と呼ばれています。

「木の芽」とは山椒の芽のこと

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木の芽とは春先に出た山椒の若芽のこと。山椒は実だけではなく葉も食材として利用されているのですね。
みなさんも春の間、木の芽を使った春らしい料理を楽しんでみてはいかがしょうか。

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※「よくわかる日本料理用語辞典」に掲載した内容を再編集しています。