「あしらい」とはどんなもの?どんな種類がある?和道一筋がわかりやすく解説!

日本料理と聞くと鮮やかな盛り付けが目に浮かびますが、そんな和食を構成している要素の一つ、「あしらい」をみなさんご存知でしょうか。

ここでは和道一筋が意外と知らない「あしらい」とはなにかを解説していきます。

そもそも「あしらい」とは?

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華やかで見た目にも楽しい日本料理。そこには日本料理ならではの工夫が凝らされています。その一つが「あしらい」です。あしらいとは、煮物や焼き物、小鉢料理に添えるもののことを指します。
例えば「天盛り」と呼ばれる、酢の物や煮物の上にあしらわれた柚子や生姜、そして焼き物に添えられたレモンやスダチなどもあしらいの一つです。

しかし、すべての添え物をあしらいと呼ぶわけではなく、中には別の呼び方をするものもあります。
薬味や吸い口(吸い物や汁物に入れる香味類)はあしらいとは呼びません。また、椀物や刺身に添えるものには、あしらいではなく「つま」という名前がついています。

見た目だけではない「あしらい」

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見た目が綺麗なあしらいですが、実はこれ、料理を飾るためというよりも、料理をおいしくしたり、消化を助けて殺菌の効果を狙う目的が大きいんです。

そのため、料理によって添えるあしらいも変わってきます。
それでは実際、あしらいにはどのような種類や働きがあるのでしょうか。

例えば魚介や肉類の焼き物には、消化を助けるアルカリ性のもの(レモン、スダチ、酢取り生姜、梅、酢取り蓮根など)がよく添えられます。
煮物も同様に、マダイには木の芽、兜煮にはゴボウや生姜といった形で、消化を助けるものをあしらうのが原則です。
また野菜が主役の場合には、栄養を補うためにエビやカニなどのたんぱく質のものを添えるのが良いとされています。

料理によってあしらいの種類は変わる!

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料理を美味しくし、消化や殺菌を狙うための添え物であるあしらいは、料理とのバランスが取れていることや、口にして安全であることが重要です。
見た目だけでなく、味や身体のことを考えられていることがわかりますね。

皆さんも日本料理を食べる時は、あしらいにも注目してみてはいかがでしょうか。

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※「よくわかる日本料理用語辞典」に掲載した内容を再編集しています。