コーヒーのカッピングとは?初心者でもできるやり方をカフェマニアが解説

コーヒーの評価をおこなう上でティスティング作業のことをカッピングと言います。

ここではカフェやコーヒーに関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部がコーヒーのカッピングと初心者でも簡単にできる方法を解説。もっとコーヒーについて詳しくなりたい人におすすめ!

どうしてカッピングをするの?

画像素材:写真AC

コーヒーのカッピングは、輸入業者が、対象となるコーヒーの品質を確認するために、その一部をサンプルとしてカッピングする他、ブレンドづくりの前段階として、何と配合するのに適するコーヒーかをチェックするためにも行われるものです。

単純に、収穫年のコーヒーの出来を確認、昨年のものと味わいの比較をするためにも行われます。また、コーヒーに関する仕事に従事している人のための教育およびトレーニングのためにもカッピングは行われます。

カッピングの方法

画像素材:写真AC

カッピングの方法には、同じ形状と大きさのカッピング用カップを用意。カップにコーヒーの粉10gを入れ、92°C以上の熱い湯を約180mlを注ぎます。4分経ったらカッピングスプーンで3回撹拌。後は上澄みに浮いたコーヒーのアクを取り除き、スプーンで液体を啜って香味、味を見て、吐き出して比べていくというシンプルなやり方が従来方式。

画像素材:写真AC

それが、スペシャルティコーヒーの評価では、カッピングの評価結果を厳密にするほうがいいという考えのもとにカッピング・コンダクテッドが構築され始めています。

カッピング・コンダクテッドとは、カッピングの遂行法を提示し、同じ条件でカッピングすること。カッピングの評価結果を厳密にして、自国のコーヒーの評価を輸出国に示す生産国も増えています。

カッピングするときの留意点

画像素材:写真AC

コーヒーの繊細な香味の官能評価をするので、カッピングする前、カッピングするときの留意点・心構えが大切になります。

・カッピングする1時間前までは食事をしないでおく。
・カッビングする30分前までにタバコを吸ったりガムをかんだり、刺激のあるものを控える。
・ファンデーション、香水をしないでカッピングにのぞみ、事前の手洗いも香料の強い石鹼は使わない。
・評価方法、評価項目をよく理解してカッピングにのぞむこと。
・個人的な好き嫌い、ひいきなしで評価すること。
・カッピングをする部屋は、明るく、無臭で、適温に設定する。カッピング中は、外部とのやりとりをしない。
・カッピング中はロの中を絶えずすすぎながら進めること。

カッピングの具体例

画像素材:写真AC

アメリカ・スペシャルティコーヒー協会(SCAA)に準じたカッピング例はこちら。

・焙煎は8〜12分の範囲で行い、焙煎度合いはアグトロン55にする。焦げや片焙きがない豆であること、また、焙煎後はすぐに冷却した豆を使用。
・水は新鮮で無臭のものを使う。蒸留水、軟化水は不適当。
・コーヒー豆のグラインドは、カッピングの開始の15分ほど前にする。それ以上前に粉砕するときは、カッピング容器に入れてフタをしておく。
・カッピングの容器にコーヒーの粉8.25gを入 れる(誤差は±0.25gまで)。同じ容器を5カップ用意する。
・まず、粉の香りをチェックする。
・湯(90〜92°C)を150ml注いで、4分浸す。
・スプーンで表面 の粉の固まりを崩す。3回かき混ぜて香りを確認 (表面の粉を崩して混ぜることをブレークと呼ぶ)。スプーンはくぼみが深い銀製のものを使用。
・浮き上がったコーヒー粉をスプーン2本で取り除いてから、うわずみを強く吸ってロの中全体 に広がるようにして吐き出す(スラッピング)。これにより、臭覚評価 、知覚評価 、口当たり評価をし、評価表に記録する。

カッピングの評価項目

画像素材:写真AC

カッピングでの評価は、イメージしやすい言葉を使ってコーヒーの素晴らしさを具体的に表現することが求められます。アメリカ・スペシャルティコーヒー協会による評価項目は以下の11つ。

■カッピングの評価項目
・芳香 Fregrance/Aroma
・風味 Flavor
・後味の印象 Aftertaste
・酸の質感 Acidity
・ボディー、コク Body
・均一性 Uniformity
・味のバランス Balance
・液体の透明感 Clean Cup
・甘さ Sweetness
・相対的評価 Overall
・欠点 Defect

コーヒーのカッピングは自分でもできる!

従来のコーヒーの評価は、コーヒー産地国が各国の基準で コーヒー豆を評価するものが多かったですが、スペシャルティコーヒーが登場してからは、そのコーヒーの品質を正 しく評価する採点方式が追求され、世界共通の基準になるように進めれてきました。

従来式のカッピングなら手軽におこなうことができますが、本格的なものを目指すならアメリカ・スペシャルティコーヒー協会の基準でトライしてみるのもおすすめですよ!

※画像はイメージです
※「コーヒー焙煎用語ブック」に掲載した内容を再編集しています