丸の内で見つけた、コーヒーと花と小さな社会貢献 「imperfect MARUNOUCHI ROASTERY」を訪ねて

丸の内仲通りからほど近い三菱商事ビルの1階。2026年3月にオープンした「imperfect MARUNOUCHI ROASTERY」を訪れました。

あなたの『おいしい』を、だれかの『うれしい』に。

そんなメッセージを掲げるimperfectが、今回出店したのは、日本有数のオフィス街・丸の内でした。

なぜ丸の内だったのか。目指したのは「日常使いされるカフェ」

imperfectはこれまで、表参道、新宿と異なる個性を持つ街で店舗を展開してきました。
若者が集まりトレンドを発信する表参道。国内外から多様な人々が訪れる新宿。その次の舞台として選んだのが丸の内です。

また、日本の玄関口ともいえる丸の内からブランドの考え方を広く発信したいという想いもあったと言います。

平日は近隣のビジネスパーソンやインバウンド客の利用が多く、2階席の大きなテーブルではノートPCを広げて仕事をする人の姿も多く見られます。休日になると買い物客や観光客が加わり、客層はさらに多様になるそうです。

花とアートが彩る、やさしい空間

店内に入ってまず印象的なのが、色鮮やかな花々の存在。
実は隣接するフラワーショップ「LORANS」と空間を共有しており、両店舗の間に仕切りがないのも特徴です。

店内には花の彩りが広がり、一般的なオフィス街のカフェとはひと味違う華やかな雰囲気を演出しています。

LORANSは障害者雇用に取り組むことで、誰もが活躍できる社会を目指すフラワーショップです。各テーブルにはLORANSによる一輪挿しが飾られ、さりげなく季節感が添えられています。

さらに店内にはギャラリーさながら絵画をディスプレイし、取材時には石附若菜さんによる作品が展示されていました。
また、店内は車いす利用者も2階席へアクセスできる昇降設備が設置されています。

コーヒーを楽しむだけでなく、多様な人が心地よく過ごせる空間づくりにも力が注がれていることが伝わってきました。

丸の内を一杯で表現した「丸の内ブレンド」

コーヒーは常時13種類をラインナップ。そのうち4種類は店内で焙煎しています。
焙煎に使用しているのは、アメリカ製の小型無煙焙煎機「Bellwether Shop Roaster」。営業中も稼働していますが、煙や大きな音はほとんど気になりません。

コーヒーの中で注目したいのが、この店舗のために開発された「丸の内ブレンド」です。
ブラジル、コロンビア、エチオピアの3種類の豆を使用し、全ラインナップの味わいのちょうど真ん中に位置するよう設計された、バランス重視のブレンドとなっています。
丸の内の持つイメージがテーマになっているそうです。

ブラジル産の豆は、通常のナチュラル製法ではなくウォッシュド製法によって引き出されたクリーンな味わいのものを採用し、丸の内ブレンドにひと口目のクリアな味わいをもたらしています。さらにコロンビア産の「エメラルドマウンテン」が柔らかな口あたりと華やかな酸味をプラス。そしてエチオピア産の豆が持つフローラルな香りが余韻を彩り、全体を軽やかにまとめ上げています。

丸の内という街を一杯のコーヒーで表現する――そんなユニークな試みも、この店ならではですね。

コーヒーチェリーから生まれた、ここでしか味わえないアイス

スイーツでぜひ試したいのが、コーヒーチェリーを活用したアイスクリーム。
コーヒー豆は果実の種子部分ですが、その果肉部分であるコーヒーチェリーは産地では果実を乾燥し、煮だして楽しむ⽂化が古くからあるものの、そのほとんどが廃棄されます。imperfectではその素材に新たな価値を見いだし、2種類のアイスに仕立てました。

「クリーミーバニラコーヒーチェリー」は、コーヒーチェリーを丸ごと煮出し、マダガスカル産バニラと合わせた一品。どこかミルクティーを思わせるやさしい風味が特徴です。

一方の「コーヒーチェリーソルベ」は、フルーティーで爽やかな味わい。ハイビスカスやクランベリーで果実の鮮やかな赤色を表現し、ブラッドオレンジによるほのかな苦みが全体を引き締めています。

アイスは他に「アフリカンスパイスチョコレート」と「抹茶(ビーガン)」を用意。

「アフリカンスパイスチョコレート」はガーナ産カカオを使用。ガーナの食文化に着想を得てチリパウダーやアーモンドペーストを組み合わせており、濃厚なカカオ感のあとにスパイスの余韻が広がる大人向けの味わいです。
「抹茶」はカシューナッツと国産抹茶を用い、ビーガン仕様にしているのがユニークです。

おいしいコーヒーの先にある、生産地とのつながり

imperfectの特徴は、コーヒーやスイーツを提供するだけで終わらないところにあります。
使用する原材料は、社会課題の解決に取り組む生産地から調達しているんです。例えばコーヒー豆を生産するグアテマラのラスヌベス農園では、敷地内に住居や学校、病院などを完備し、働く人やその家族の生活を賄っているのだとか。

さらには生産地・生産者と共に取り組むプロジェクトも行なっています。商品を購入すると、「環境」「教育」「平等」の3つのテーマの中から共感する社会課題解決プロジェクトへ投票ができるという仕組みです。
投票結果から『もっとも応援したいプロジェクト』を決定し、imperfectの売上の一部を活用し実行しています。

表参道や新宿の店ではチップを投票箱に入れる形式でしたが、丸の内店ではデジタル化。投票結果はリアルタイムで店内のディスプレイに反映されます。

「社会貢献」というと少し身構えてしまう人もいるかもしれません。でも、この仕組みはとてもシンプル。

おいしいコーヒーを飲み、その先にある生産地や生産者のことを少しだけ知る。その小さな関心が、世界のどこかで誰かの支えになっています。

丸の内の日常に寄り添う、新しい居場所

平日は朝7時から営業するのも、この店の特徴。
周辺には11時から営業するカフェも少なくないなか、出勤前に立ち寄れる貴重な存在となっています。

コーヒーはデカフェやプラントベースミルクへの変更に対応。グラノーラはソイヨーグルトを使用したヴィーガン対応のものも提供していたりと、多様な食の選択肢も用意されています。

一杯のコーヒーを楽しむこと。

花を眺めること。

お気に入りのアイスを味わうこと。

その何気ない時間の先に、生産地や環境、誰かの暮らしとのつながりがある。
そんなことを自然に感じさせてくれるのが、imperfect MARUNOUCHI ROASTERYの魅力です。

まずは目の前の一杯をおいしくすることから始める。そのやさしい姿勢が、この店の空気感そのものになっているのだと感じました。

【SHOP DATA】
imperfect MARUNOUCHI ROASTERY
●所在地/東京都千代田区丸の内 2-3-1 三菱商事ビルディング1階「231 PLACE」内
●営業時間/月~金:07:00~19:00、土日祝:11:00~19:00
●定休日 /不定休(年末年始を除く)