うどんの定番の薬味は胡椒だった!?薬味の役割と一緒にフードマニア編集部が徹底解説

現在うどんの薬味と言えばネギや生姜が人気ですが、江戸時代中期では胡椒が定番だったということはご存知でしょうか。

実際にうどんと胡椒は合うのでしょうか?ここでは、和食に関する本を出版しているフードマニア編集部が、「薬味」という言葉の意味と一緒に解説していきます。

江戸時代中期、胡椒はうどんの薬味として広く普及していた

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今のようにダシ醤油で食べるうどんが一般的になった、江戸時代中期。当時、うどんの薬味として使われていたのが胡椒でした。その認知度や普及率は高く、1715年に書かれた『大経師昔暦(だいきょうじ むかしごよみ)』という人形劇では、「本妻の吝気(かっけ)とうどんに胡椒はお定まり なんとも存ぜぬ」と言われるほどでした。

うどんの定番の薬味として愛されていた胡椒でしたが、江戸時代の後半に入ると唐辛子が広く流通。うどんと一味、七味の相性の良さが注目を集めたことで、薬味としての胡椒は少しずつ目立たなくなってき、現在に至ります。

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ちなみに、実際にうどんに胡椒をかけてみたところ、唐辛子とは異なるさっぱりとした刺激がうどんの味を引き立て、意外と合うことが判明。さらに、うどんの本場である香川には、バターうどんに胡椒をかけて提供するお店も。ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。

「薬味」という言葉の由来は?

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そもそもなぜ薬味には「薬」という字が使われているのか、考えたことはありますか?実は「薬味」という言葉の由来は漢方の考え方から来ているとされています。
漢方には「甘み、辛味、酸味、塩味、苦味」の「五味」があり、それらすべてに効能があると考えられています。この「五味」が「薬味」と呼ばれるようになり、生姜や胡椒のように薬膳的に効果のあるもののことを「薬味」と総称するようになったと言われているのです。

うどんの薬味に胡椒は合う!

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唐辛子が登場するまで、うどんの定番の薬味だった胡椒。ぜひいろいろな薬味を試して好みの食べ方を見つけてみてくださいね

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています