人気のムルギーランチの今と昔を比べよう!東銀座『ナイルレストラン』
1949年、東京・東銀座に開業した『ナイルレストラン』は、日本最古の本格インド料理店。看板商品といえば、大きな地鶏とカレーがセットになったムルギーランチです。
時代を超えて愛される看板メニューはどのように変化してきたのでしょうか?この記事では1996年に旭屋出版から刊行された「名店の看板メニュー」を見ながら、当時のムルギーランチと現在のムルギーランチを比べてご紹介。
『ナイルレストラン』の名物・ムルギーランチの歴史
創業70年。終戦からわずか4年の1949年、東京・東銀座に日本最古の本格インド料理店『ナイルレストラン』はオープン。創業者のA・M・ナイル氏が考案した「ムルギーランチ」は、現在でも同店定番の看板メニュー。
実はムルギーランチは、本場インドには存在しないメニュー。南インドで親しまれている、ライスとカレールー、副菜をワンプレートに盛り付けた「ミールス」と呼ばれる定食が基となった同店オリジナルメニューなのです。創業者が当時、集められるだけの食材とスパイスを調合して作り出したもの。
そんなムルギーランチをフードマニアを運営する旭屋出版が刊行する「近代食堂」でもご紹介。その中で「名店の看板メニューと思想」というコーナーでは、当時の人気店の看板メニューを取材し、連載していました。こちらの「名店の看板メニュー」という本はその連載を1冊にまとめたもの。今回はこちらに掲載された1996年版のムルギーランチと現在のムルギーランチを比べてみましょう。
過去と現在のムルギーランチと比較してみよう!
それでは、1996年版のムルギーランチから見てみましょう。ベースとなる約10種類の香辛料を調合し、ブロイラーではなく、地鶏を骨付きのまま、ジャガイモと玉ネギと一緒に7~8時間煮込んだカレールー、ターメリックで炊いたイエローライス、それらが大きな洋食器に盛り付けるというのがムルギーランチでした。
次に現在のムルギーランチを見てましょう。現在のムルギーランチのルーは、使うスパイスの若干の増減はあるのですが、基本的にレシピは当時のまま。違いといえば、盛り付けの野菜がトマトとピーマンから変わってキャベツのバジー(野菜の炒め物)になり、じゃが芋がマッシュポテト風になったというくらい。3代目のナイル善己氏に違いを聞いたところ、「ルーも具材も当時は今よりも(お客の好みとして)硬めなものが好まれていたのかもしれない」とのこと。
またスタッフも変わらないというのも特徴で、インド・ケララ州出身者に限って採用しています。これは広大なインドでは地域が違えば、食文化も違うのであえてケララ州出身者に絞っているというのが理由。
スタッフがナイフとフォークで骨付きもも肉をほぐし、さらにルー、キャベツ、ライスを混ぜ合わせるというのも『ナイルレスラン』ならでは。お客にムルギーランチをおいしく食べてもらうためのサービスは当時から変わらず行っています。
『ナイルレストラン』のムルギーランチは時代を超えて愛される看板メニュー
いかがでしたでしょうか?今でも愛される看板メニュー、ムルギーランチは今も昔も変わらない味。過去と現在をミックスして楽しむというのもまたおすすめですよ!
ナイルレストラン
住所 | 東京都中央区銀座4-10-7 |
営業時間 | 11:30~21:30(日・祝11:30~20:30) |
定休日 | 無休 |
※「近代食堂2019年2月号」に掲載した内容を再編集しています。記載のデータは取材時のものです。 |
プロフィール
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古き良きレトログルメをひたすら紹介。懐かしさを感じる人でも、昔を知らない人でも純粋に楽しんでもらえたら嬉しいです!
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