“毎日食べられる”という自家製麺とは?戸越銀座『戸越ラーメンえにし』

自家製麺において、自ら味わいを調整できるという利点はあるものの、個性が溢れ過ぎているという麺も多い。そんな中、戸越銀座にある『戸越ラーメンえにし』の麺はノーマルな麺を目指したという。しかし、シンプルを目指すゆえに奥深い工夫もある。

ここでは自家製麺を求め続ける拙者、自家製麺サムライが『戸越ラーメンえにし』を紹介していこう。ここでは取材を通してお聞きした、製麺法と考え方も解説。

『戸越ラーメンえにし』の製麺法と考え方

番重ごと冷蔵庫に一日保存。翌日の昼営業から使用する。

2017年にスープをブラッシュアップさせたのに合わせて、麺も変えたという。ラーメン用の「細麺」は、店のスープに負けない強い味わいと、しなやかさのある麺を目指し、国産小麦のみを使った麺に。日清製粉の「DP-1」をメインにライ麦粉を配合して個性を出した。まぜそば、つけそば用の「太麺」は、しなやかな麺を目指し、国産小麦粉に全粒粉を配合して風味も良い麺に。

どちらも、スープと同じく、個性を出し過ぎないように、子供から年配客まで毎日食べられるようなノーマルなタイプの麺を意識したと店主の角田匡氏は言う。

自家製麺を使ったメニューはこちら

つけそばで使用する太麺は、日清製粉の国産小麦粉「北翠」をメインに、全粒粉等をブレンドしたもの

それでは、この自家製麺を使った珠玉のメニューを見ていこう。

■つけそば
「ラーメン」と共通のスープとタレを使用し、自家製七味とユコウ(柑橘類)果汁で辛さと酸味をプラス。麺は全粒粉で風味を出した、国産小麦100%の「太麺」。日清製粉の国産小麦「北翠」をメインに全粒粉をブレンド。切り刃16番の平打ち太麺。自家製七味は、青唐辛子、赤唐辛子、白ゴマ、黒ゴマ、柚子、青海苔、山椒を混ぜて作る。

ラーメン等に使用する「細麺」。一人前は130ℊで、注文ごとに計って茹でる。茹で時間は1分半。

■ミックスラーメン
国産豚のモモ肉とバラ肉を使った2種類のチャーシューをトッピング。スープは鶏ガラと背ガラ、チャーシュー用バラ肉、野菜を炊き、水出しした和風だしを合わせたもの。味は醤油味か塩味が選ぐことは可能。ちなみに、写真は醤油味。

『戸越ラーメンえにし』の自家製麺は毎日食べられる麺に仕上げたもの

『戸越ラーメンえにし』の自家製麺の魅力についてご理解いただけただろうか?ぜひ実際に足を運んでその奥深い味を満喫してほしい。

戸越らーめんえにし

住所 東京都品川区平塚2-18-8
営業時間 平日11:00 ~15:00、18:00 ~22:00、土・日・祝日11:00~21:00
定休日 なし
  ※「自家製麺ラーメン店の調理技術」に掲載した内容を再編集しています。記載のデータは取材時のものです。