地鶏と銘柄鶏(ブランド鶏)とは?その定義についてラーメンマニアが解説

最近はラーメンにも地鶏や銘柄鶏を使用する店もあります。ところで地鶏や銘柄鶏の違いはどこにあるのでしょうか?

ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部が地鶏と銘柄鶏について解説していきます。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!

地鶏とは?在来鶏の血統を持つ鶏のこと

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地鶏は農林水産省の規定する日本農林規格(特定JAS)で、在来種を素びな(ひよこ)の両親か片親に使って繁殖させたもので、在来種由来の血統が50%以上の交配種をいいます。

また、どのように飼育されているかも重要で、飼育期間は80日以上、生後28日以降は平飼いをして、1平方メートル当たり10羽以下の飼育密度が必要と定められています。平飼いとは、鶏舎内または屋外で、鶏が床面または地面を自由に運動できるようにして飼育する方法。平飼いのうち、日中は屋外で飼育する方法を放飼いといいます。

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代表的な地鶏に比内鶏、名古屋コーチン、さつま若しゃもなどがあり、比内鶏は在来種の比内鶏の雄とロードアイランドレッド種の雌を、名古屋コーチンは名古屋種と中国のバフコーチンを、さつま若しゃもは薩摩鶏の雄と白色プリマスロックの雌を、掛け合わせて作られたもの。

銘柄鶏(ブランド鶏)とは?飼料や飼育方法にこだわった種のこと

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よりおいしい鶏肉を食べたいという消費者のニーズに応えるために開発されたのが、最近多く見かける銘柄鶏。

両親は地鶏に比べて成長が早く、肉が多く取れる肉専用種で、羽が褐色なため「赤どり」と呼ばれるシェーバーレッドブロ、レッドコーニッシュ、レッドプリマスロック、プレノアールなどと、ホワイトコーニッシュやホワイトロックなどのブロイラーを、それぞれ作りたい鶏の特性を生かすように交配します。生まれる素びなは、赤どりとブロイラーの2タイプがあります。

通常の飼料、飼育場所や面積、飼育日数などに工夫を加えて差別化したもので、ブロイラーよりも味がよく、地鶏と比較して手頃な価格が特徴。

在来種の先祖は約2500年前に伝来したもの

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ここからは在来種の歴史について説明していきましょう。

ニワトリの原種は、キジ科の野鶏(やけい)の一種である赤色野鶏(せきしょくやけい)と考えられており、今でもインドからマレー半島、スマトラ、フィリピンなどに野生しています。

日本には約2500年前、中国から朝鮮半島を経由して伝来。次第に飼い慣らされ、庭先で飼われるようになったため「庭鶏」と、羽が赤かったので、丹色(にいろ)の羽の鳥=丹羽鶏と呼ばれるようなった、ともいわれれます。日本各地へ広がったニワトリは、その地方独自で改良されて根づき、現在、在来鶏と呼ばれているものになりました。

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これは、古来より日本にいたといわれる品種、または明治時代までに、国内で外来種と掛け合わせて作り出され、定着した鶏(日本鶏)とされています。しかし、第二次世界大戦前に飼育されていた品種のほとんどが、絶滅、または激減しました。現在は、各地の畜産試験場や鶏愛好家などが研究を続け、繁殖、育成をして種をつないでいるというのが現状。

在来種はこんなにある!

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実は在来種は天然記念物に指定されるほどに希少な種もあるんです。天然記念物とは、国内で学術上の価値の高い動物、植物、地質や鉱物などを、国や地方自治体が指定したもので、なかでも特に稀少で、貴重なものは特別天然記念物に指定されています。在来鶏では高知県原産の尾長鶏が特別天然記念物に指定。

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天然記念物は伊勢地鶏、岩手地鶏、烏骨鶏(うこっけい)、鶉矮鶏(うずらちゃぼ)、河内奴(かわちゃっこ)鶏、 岐阜地鶏、黒柏鶏、声良鶏(こえよしどり)、薩摩鶏、地頭鶏(じどっこ)、芝鶏(しばっとり)、軍鶏(しゃも)、小国 (しょうこく)鶏、矮鶏(ちゃぼ)、東天紅(とうてんこう)鶏、蜀鶏(とうまる)、土佐地鶏、比内(ひない)鶏、蓑曳矮鶏(みのひきちゃぼ)、蓑曳(みのひき)鶏などが指定されています。

天然記念物以外の日本鶏(在来種)は、会津地鶏、インギー鶏、ウタイチャーン、エーコク、沖縄髭(ひげ)地鶏、雁鶏、熊本種、久連子(くれこ)鶏、コーチン、佐渡髭(ひげ)地鶏、土佐久斤(くきん)、対馬地鶏、名古屋種、三河種、宮地鶏など。明治時代までに導入され、定着したものが横斑プリマスロックとロードアイランドレッドもあります。

地鶏は血統や飼育条件を満たした鶏で、銘柄鶏は飼料や飼育方法にこだわった品種

意外と知ってそうで知らなかった地鶏と銘柄鶏の違い。鶏肉を使用したラーメンを注文する際はこの違いを意識するとより深く楽しむことができますよ。

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※MOOK「人気ラーメン店を開業するための本」に掲載した内容を再編集しています