福神漬けの歴史とは?その発祥をカレーマニアが解説

今では日本の欧風カレーの定番である福神漬ではありますが、どうしてカレーと福神漬けが結びついたのでしょうか?

ここではカレーに関する本を多く出版してきたカレーマニア編集部が福神漬けの歴史について解説していきます。カレーに詳しくなりたい人におすすめ!

福神漬けはいつ作られた?

画像素材:写真AC

そもそも福神漬けとはどんな漬物なのでしょうか?明治10年頃、東京・池之端の『酒悦』 (現・酒悦㈱)の5代当主・野田清右衛門が考案した大根、なす、かぶ、うり、 しそ、れんこん、なた豆を材料とした漬物で、材料が7種類であることから、七福神にあやかって「福神漬け」と名付けたのです。

ちなみに、福神漬を称えた碑が、東京・日暮里の浄光寺にあります。

どうして福神漬けがカレーのコンビになったのか?

画像素材:写真AC

明治時代、日本郵船の欧州航路の一等客室食堂でカレーがメニューとなっていました。そこで偶然にも福神漬が添えて出されたのです。船内で福神漬添えカレーを食べ、これを気に入った人物が日本郵船のカレーとともに福神漬を日本に持ち込みました。その結果、福神漬が知られるように。

一方、カレーとのコンビではなく、単体として福神漬が全国にその名を知られるようになったきっかけがあります。日清・日露戦争の時に、携行食糧として福神漬が採用されて、その美味しさを知った兵隊が、除隊後、その知識を故郷へ持ち帰ったという説も。

実はカレーも福神漬けも兵隊が広めた?

ここに奇妙な一致があるのです。カレーを国内に広めたのも除隊後の兵隊であれば、福神漬を広めたのも除隊後の兵隊。もっともカレーの場合は時代が下りますが、不思議なことにカレーと福神漬の普及には兵隊が欠かせなかったのです。

※画像はイメージです
※「食の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています