スペイン風リゾットの「カルドソ」とはどんなもの?スペイン料理の名店『アノカドレストランテ』のシェフに聞いてみた!
セブンイレブンの洋風グルメフェアで発売されてから、いま非常に注目の集まっている「カルドソ」。スペイン風のリゾットと称されることの多い料理ですが、今回の商品化で初めて名前を聞いたという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、セブンイレブンとコラボしたスペイン料理店『anocado restaurante+(アノカドレストランテ)』の結城シェフに、実際にカルドソの魅力について伺ってきました!
そもそもカルドソとは?
スペインの米料理と言えば、日本では断然パエリアが有名ですよね。ですが、パエリアよりスープの量が多く、お米を煮るようにして作る「カルドソ」もスペインの定番料理の一つなんです!
一見「おじや」のようにも見えるカルドソですが、おじやとは違って、生米の状態から火にかけられます。お米の芯が残るか残らないか位のアルデンテの少し先の状態に仕上げるのがポイントで、お米1粒1粒にスープの旨味が染み、お米の甘みを纏わせる庶民の味なんですよ!
使われる食材は各家庭やお店でも変わりますが、エビやアサリを使った魚介のカルドソは定番の味です。
スペインにはどんな米料理があるの?
そもそも、スペインの米料理はスープの量によって大きく3種類に分かれると言われています。
1つが「アロス(=米)・セコ(=乾いた)」と呼ばれるドライライスで、パエリアのように完全にスープが飛んだ米料理を指します。
そして「カルドソ」は、スペイン語で「出汁、スープ」を意味する「Caldo」から来ている言葉。名前の通り最も水分量の多い料理なんです。
ちなみに、「アロス・セコ」と「アロス・カルドソ」の中間にあたる料理は「アロス・メロッソ」と呼ばれ、パエリアほど焼き揚げず、煮汁感を残した状態のことを言います。スープとオイル、そしてデンプンが乳化したソースをお米に纏わせていて、焦げ付きやすいイカ墨やオマール海老、蟹などの甲殻類を用いたレシピの仕上げに用いられることが多いです。
日本では「スペイン料理=パエリア」というイメージが強いですが、実はパエリアは休日に家族や仲間と大鍋を囲んで食べるもので、普段はカルドソやメロッソを食べることのほうが多いんだとか。
パエリアとの違いは?
パエリア職人で大会での優勝経験もある『anocado restaurante+』の結城シェフによると、パエリアとは「お米1粒1粒に良質なスープを最大限に閉じ込め、焼き揚げた料理」だと言います。
日本ではサフランを加えた炊き込みご飯のようなパエリアがよく見られますが、本来パエリアとはお米にスープの旨味を限界まで染み込ませ、カリカリとしたソカラッ(おこげ)と楽しむ料理。カルドソとの違いは米の調理法にあり、煮込み料理のカルドソではソカラッはできず、リゾットや雑炊のように、スルスルと食べられる料理なんですよ!
「良質なソカラッの形成は複雑な作業」と語る結城シェフ。
スペイン料理をご家庭でも作ってみたい人は、まずはカルドソから挑戦してみるといいかもしれませんね。いずれにしてもスープが命の料理なので、良いスープストックを用意しましょう!
↓パエリアについてもっと詳しく知りたい方はこちら!
カルドソとはお米をスープで煮たスペイン料理のこと!
日本ではまだ馴染みのないカルドソですが、本場スペインではパエリアと並ぶほど人気の高いメニューです。まだ食べたことのない方は、ぜひこれを機にカルドソにトライしてみてくださいね!
協力:anocado restaurante+
anocado restaurante+
住所 | 東京都杉並区成田東1-50-7 |
営業時間 |
・ランチ ・ディナー |
定休日 | 不定休 |
※記載のデータは取材時のものです。 |