紅茶の等級とは?カフェマニアが解説

よく「オレンジ・ペコ」「ブロークン・オレンジ・ペコ」という表示されている紅茶の茶葉がありますが、これは紅茶の等級のこと。紅茶の等級はさまざまな呼び名があって、実にややこしいんです。

ここではカフェや紅茶に関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部が紅茶の等級について解説。紅茶について詳しくなりたい人におすすめ!

茶葉の分類はどうやって決めている?

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紅茶を楽しむには、まず紅茶の分類についてきちんと知る必要があります。一口に紅茶と言っても、その種類分けはいろいろありますが、大きく分けると

1、原産地別(インド、スリランカ=セイロンといった原産国による分類)
2、地域別(ダージリン、アッサム、ウバ、といった茶園の地域による分類)
3、パッカー別(リプトン、トワイニングといったブランドによる分類)
4、製品形態別(ルースティー=撒茶、ティーバッグ、インスタントティー、缶入りアイスティーなど製品による分類)
5、等級(グレード)別の5つに分けることができます。

その中でも、ちょっと分かりにくいのが等級別分類です。等級というと、紅茶の品質のグレードを表したものと誤解されやすいのですが、品質とは関係ありません。等級といっても、茶葉の形状と大きさによる分類にすぎないのです。

茶葉の等級はどうやって決めている?

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茶の葉にはそれぞれ名称があります。一番上のチップス(新芽)を一般にフラワリー・オレンジペコ、そのすぐ下の葉をオレンジ・ペコ、その下がペコ。さらにペコ・スーチョン、スーチョンと続きますが、スーチョンは良質なものではありません。

ここで登場する「オレンジ・ペコ」というのは等級ではなく、葉の名称のことなので注意。

■オレンジ・ペコ
若い葉で、茶葉の厚みも薄い。新芽を含んだ良質のもので、もともとは大きな葉のまま撚るリーフタイプ。

■ペコ
葉の裏に白い産毛がありますが、オレンジ・ペコよりも葉肉は厚め。新芽も少なく、撚った葉のサイズも短め。

■スーチョン
葉は硬くて、紅茶の茶葉としては品質的に劣ります。そのまま売られるより増量用として使われることが多い傾向に。

詳しい茶葉の等級

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さて、茶葉の等級は大きくは4つに分かれます。オレンジ・ペコ(OP)、ブロークン・オレンジ・ペコ(BOP)、ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングス(BOPF)、ダスト(D)の4通り。それぞれの違いを見ていきましょう。

■オレンジ・ペコ(OP)
「ペコ」とは、もともとは中国語の白亳(パイハウ)からきたもので、産毛のついた新芽を指します。中国のある地方の方言でペコとかピコーと聞こえたのでイギリスでそう呼ばれるようになったとか。また、オレンジ・ペコといってもオレンジの葉や果実とは関係ありません。茶葉を長いまま撚ったサイズのもので、リーフタイプと呼ばれるものです。茶葉の長さは7~11mm位が一般的。

■ブロークン・オレンジ・ペコ(BOP)
上記のオレンジ・ペコを砕いて小さくしたもの。形状が細かい分だけ、抽出時間が短くて済みます。市販の缶入り茶葉の多くはこのタイプで、茶葉の長さは2~3mm。

■ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングス(BOPF)
もっと細かく、さらに抽出時間が短くなるので、ティーバッグに利用されています。茶葉の長さは1~2mm。

■ダスト(D)
ゴミやチリといった意味ではありません。粒状にした細かい形状の茶葉で、ティーバッグ用です。

紅茶の等級はややこしいけど、以下のように覚えておけばOK!

ざっくりと説明すると、OP(オレンジ・ペコ)はリーフタイプで、いれた後の茶殻(ちゃがら)の美しさも楽しむもの。さらに、BOP(ブロークン・オレンジ・ペコ)は茶葉をカットし細かくしているので、抽出時間が短い茶葉です。BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングス)とD(ダスト)はさらに細かく、ティーバッグに使われるものと覚えておきましょう。

このような分類を知っておくと、紅茶の選び方が分かってくるハズ!

※画像はイメージです
※「THE BOOK OF TEA」に掲載した内容を再編集しています