紅茶の製造工程について知っている?カフェマニアが解説

紅茶は茶の木から作られますが、意外と知らないのがその製造過程。一般的に茶摘みのイメージがありますが、その後の工程を知っている人は少ないでしょう。

ここではカフェや紅茶に関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部が紅茶の製造工程について解説。紅茶について詳しくなりたい人におすすめ!

紅茶の製造工程を簡単にまとめました

画像素材:写真AC

紅茶の製造はまず茶摘みから始まりますが、茶摘みは地域によってその時期が違ってきます。摘み方はすべての茶葉を摘み取るのではなく、一芯二葉摘みまたは上葉摘みといわれる摘み方で、開ききっていない新芽一つとその下の若い葉2枚だけを摘むという方法。

インドやスリランカでは一枚一枚すべて人の手で行なわれます。10kgの紅茶を作るのに、実に40kgもの茶葉が必要になるのですから大変な仕事ですね。

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こうして摘まれた生葉が紅茶になるまでには、多くの段階を踏まなければなりません。伝統的な製法を少し詳しく述べていきましょう。

まず、紅茶製造の第1段階は萎凋(いちょう)=生葉の水分を約半分にするように萎凋室で温風により萎(しお)れさせます。第2段階は揉捻(じゅうねん)=ローラーで萎凋した生葉を揉んでよじり、茶汁を絞り出し、酸化酵素でタンニンなどの発酵がスタート。第3段階は玉解きと篩(ふる)い分け=揉捻で塊になった茶葉をほぐし、熱を冷まし、篩いにかけて形やサイズを整えるという作業です。第4段階は発酵=茶葉を平均に拡げ、発酵棚で発酵させます。この段階で香味や茶葉の色が決定。最後の第5段階は乾燥=熱風で乾燥させ、発酵を止めると紅茶はでき上がりです。

重要なのはブレンド技術

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こうして紅茶は製造されますが、これはあくまで原料茶にしかすぎません。この後に重要なブレンドという作業が行なわれます。

例えばダージリンと表示した紅茶は、単一の茶葉だと思っている人が多い傾向にありますが、必ずブレンドが行なわれています。これは混ぜものをしてインチキしているわけではありません。同じ茶園の茶葉でも、摘む日や月、時間によって品質は同じではないのです。そこで、同じ地区の何箇所かの茶園の茶葉をブレンドして、いつ飲んでも一定の味になるようにするのが重要。他にもインド、セイロン、ケニアといった違う地区の茶葉をブレンドすることも。ブレンドはティーエキスパートといわれる専門家によって行なわれます。

紅茶の製造においてブレンドは重要!

茶摘みから発酵、乾燥を重ねて作り上げた茶葉はブレンドして初めて各ブランドの紅茶として製品化され、売られていくのです。

※画像はイメージです
※「THE BOOK OF TEA」に掲載した内容を再編集しています