紅茶の茶葉の種類はどれくらいある?カフェマニアが原産地と地域別に解説

紅茶のパッケージにはダージリン、アッサム、ウバ…といった表示があったりしますが、これは産地のことを示してるのです。世界には紅茶の名産地がたくさんあり、それぞれの地域で茶葉の特徴が違うことも。

ここではカフェや紅茶に関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部が紅茶の茶葉の種類について原産地と地域別に解説。紅茶について詳しくなりたい人におすすめ!

インド産の紅茶

画像素材:写真AC

■ダージリン
世界3大銘茶の一つ。紅茶のシャンパンと言われ、上品な味わいが紅茶ファンを魅了しています。産地は北東インド・ヒマラヤ山麓の高地ダージリン。二番茶(Second Flush)は香り、水色とも最もよくマスカット・フレーバーと呼ばれる素晴らしい香味。水色は他の紅茶に比べて薄いオレンジ色で、甘味のある優しい味がします。

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■アッサム
アッサム産の紅茶は世界最大の生産量を誇っています。もちろんアッサムだけの高級茶として販売もしていますが、ブレンド用の原茶に使われることが多い傾向に。また、ティーバッグの原茶としても使われています。味は濃厚でコクがあり、奥の深い芳醇な香りが特徴。水色は濃い赤褐色を呈します。ストレートで飲むより、ミルクティーにするのが一般的。

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■ニルギリ
南インドのニルギリ高原が産地。標高1200~1800メートルのブルーマウンテンと呼ばれる丘陵地帯で栽培されています。気候や風土がスリランカに近いため、味や香りの特徴はセイロン(スリランカ)紅茶に似ています。味は他のインド紅茶に比べてクセがなく、いろいろなバリエーションティーに使いやすい傾向に。水色は赤味のあるオレンジ色が特徴です。

スリランカ産の紅茶

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■ウパ
インドのダージリン、中国のキーモンとともに世界3大銘茶に挙げられています。産地はスリランカ中部の山岳地帯東側斜面のウバ郡で、いわゆるハイグロウン(高度による分類法。製茶工場が1300メートル以上の高度にあるものを指す)の高級茶です。バラやすずらんの花の香りがするものもあるほど香りは爽やか。一般的にミントのようなさっぱりとした渋みがあり、爽快感が特徴。水色は明るい茶褐色をしています。

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■ディンブラ
産地は、スリランカ中部山岳地帯のディンブラ・ディコヤ地方。水色は赤褐色で、同じ西側斜面のヌワラエリヤに比べて水色は濃い目です。ハイグロウンの高品質な紅茶ですが、タンニンの含有量は比較的少なめ。味もマイルドでフルーティー。クセが少ないので、フルーツを添えてアイスティーを作るなど、バリエーションティーとして使いやすい紅茶と言えます。

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■ヌワラエリヤ
スリランカ中部山岳地帯の西側ヌワラエリヤ地方で採れる紅茶です。ハイグロウンな紅茶で高品質。香味は豊かですが、クセがそれほど強くないので、誰でも飲みやすい紅茶と言えます。水色は明るい赤褐色ですが、他のセイロン茶に比べて淡い色になる傾向が。

それ以外の地域の紅茶

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■キーモン(祁門)
茶はもともと中国が発祥の地で、紅茶も中国から伝わったもの。中国の紅茶には、古くから工夫(コングー)紅茶がありますが、キーモン(祁門)はダージリン、ウバと並ぶ世界3大銘茶の一つとしてもっとも知られています。産地は中国安徽省の礽門。水色は澄んだオレンジ色で、燻したようなスモーキーフレーバーの独特な香りが紅茶ファンを捉えています。

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■ケニア
ケニアはもともと紅茶の原産国ではありませんでしたが、イギリスの指導により今やインド、スリランカに続き3番目の生産量を誇る紅茶の原産国になっています。水色は比較的濃く、明るい紅色で、コクがあってミルクティー向き。他の茶葉とのブレンド用として使われることが多く、またほとんどがCTC加工(粒状にすること)されており、ティーバッグに利用されています。

紅茶の茶葉の種類は原産地別でもこれだけある!

ここでは有名な産地を紹介しましたが、さらに産地の中でも等級や製法によってさまざまな種類に分けられます。これ以外にも世界には紅茶の産地がたくさんあります。インドやスリランカが有名ではありますが、実は日本でも作られているんですよ。ぜひいろいろと試してみてくださいね。

※画像はイメージです
※「THE BOOK OF TEA」に掲載した内容を再編集しています