豆腐じゃない豆腐!?木綿・絹ごし以外の豆腐の種類は?和道一筋がわかりやすく解説!

スーパーの豆腐コーナーには、木綿豆腐や絹ごし豆腐の他に、○○豆腐と呼ばれる食品が並んでいますよね。しかし、豆腐が入っていない「ごま豆腐」や「杏仁豆腐」がなぜ豆腐と呼ばれるか疑問に思ったことはないでしょうか。

この記事では、豆腐の種類や○○豆腐と呼ばれる食品について、和道一筋がわかりやすく解説していきます。

そもそも豆腐とは?

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そもそも豆腐とは、大豆の搾り汁である豆乳に、にがりなどの凝固剤を加えたもので、中国から伝わったと言われています。豆腐の「腐」は、中国では「液状のものが寄り集まって固形状になった柔らかいもの」という意味があり、豆乳から作られる柔らかいものということで「豆腐」と呼ばれています。

家庭で使われる豆腐は一般的に木綿豆腐や絹ごし豆腐ですが、日本各地の豆腐の種類はさまざま。製法によって風味や食感が異なります。また、中には大豆を使用していなくても、○○豆腐と呼ばれる食品も。豆腐には変わり種や加工品が多いのも特徴です。

豆腐の種類 5選!

おぼろ豆腐

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名前の由来は「おぼろ月に見える」や「おぼろげに見える」など諸説あります。「寄せる」という、豆腐づくりの最初の段階で取り出しているため、木綿豆腐のように、「圧搾」や「晒し」の工程がなく、滑らかな食感が特徴です。おぼろ豆腐は、「寄せ豆腐」とも言われ、地域によっては「汲み上げ豆腐」や「ゆし豆腐」と呼ぶところも。

濃厚な味わいがあるので、そのままで食べても美味しく、豆腐サラダやスープなどにいれても豆腐の味わいを楽しめます。

高野豆腐(凍り豆腐)

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高野豆腐とは、豆腐を乾燥させ、水分を抜いた保存食品のこと。煮物などの料理に入れると出汁の旨味を吸収し、ギュっとした食感になるのが魅力です。大豆の成分が濃縮されていて、栄養価が高い食品としても知られています。

製造過程で一度凍らせているため、「凍り豆腐」と呼ばれることも。和歌山県・高野山で生産される凍り豆腐が精進料理として全国に広まったと言われています。全国の生産量の9割を占める長野県や、福島県などの東北地方で人気のある豆腐で、地域によって作り方や呼び名が変わります。

ごま豆腐

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ごまを使った豆腐形状の食品。弘法大師(空海)が高野山を開いた際に、当時、薬として重宝されていたゴマを中国から持ち込み、タンパク質の不足する精進料理に入れたのが始まりという説があります。わさび醤油や酢味噌をつけて食べるのが一般的。大豆から作る豆腐と違い、にがりを加えず、葛粉(クズの根から採れるデンプン粉)を使うため、もちもちとした食感が特徴です。

卵豆腐

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ごま豆腐と同様、大豆やにがりを使わない食品。卵とだし汁を混ぜ合わせ、四角い型に流し込み、蒸して作られます。日本では冷やしてそのまま食べるのが一般的ですが、中国では鍋や煮物料理などに使われることが多いです。茶碗蒸しと似ていますが、茶碗蒸しは卵とだし汁が1:3なのに比べ、卵豆腐は1:1で作るのが基本。また、茶碗蒸しのように具材をいれないのが特徴で、つるんとした食感を楽しめます。

ジーマーミ豆腐

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落花生を使った沖縄名物。落花生の搾り汁に芋クズ(サツマイモでんぷん)を加えて作ります。琉球語で「ジーマーミ」は落花生を意味し、琉球王朝時代から食べられてきたとされています。濃厚なプリンのようなコクのある味わいが特徴で、甘みのある醤油ダレと相性抜群です。また、黒糖ソースをかけデザート感覚で食べたり、湯豆腐にしてぽん酢やラー油をつけたりと、さまざまな楽しみ方ができます。

豆腐の種類はさまざま!

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豆腐は豆乳に凝固剤を加え、固めて作るのが一般的ですが、製法によってまったく異なる風味や食感が楽しめます。また、大豆やにがりを使っていなくても、「豆腐」という呼び名が付くものも。皆さんもぜひスーパーに立ち寄った際は、いつもと違う豆腐に挑戦してみてくださいね。

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