いなりずしの由来と歴史は?すしマニアが解説
いなりずしといえば、甘い醤油味に味付けされた油揚げにくるまれたすしのこと。実はいなりずしの発祥についてはあまり知られていません。その由来はどこにあるのでしょうか?
ここではすしに関する本を多く出版してきたすしマニア編集部がいなりずしの由来と歴史について解説していきます。すしに詳しくなりたい人におすすめ!
いなりずしは現在の愛知県に由来

諸説ありますが、いなりずしの発祥は今の愛知県、三河・尾張あたりだとされています。別名、篠田ずし、信太ずしとも。かつて、いなりずしは江戸と上方では明確に違っていました。
江戸は形が俵型。油揚げは濃口醤油で煮るので色が濃く、酢飯に具は入れないというもの。一方、上方の形は三角。油揚げには淡口醤油を使うので色が薄く、酢飯にはごぼうや人参などの具を入れました。

この違いは現在にも残っていて、江戸(関東以東)なら俵型で色は濃く、上方(関西地域)は三角でやや色が薄め。変化するのは名古屋あたりで、ここら辺を境に東に向かうと色が濃くなっていきます。
なお、江戸でいなりずしが世間に広まったのは安政(1855~1860年)の頃。日本橋十軒町の治郎兵衛(次郎吉との説も)が赤鳥居を描いた行灯を掲げ、いなりずしを行商して江戸の町を回ったのがきっかけとか。
いなりずしの歴史は奥が深い
いなりずしの発祥は愛知とされていますが、地方によってバリエーションが違うのが特徴です。面白いのが、安政の前の江戸ではいなりずしにわさび醤油を付けて食べていたとか。握りずし同様、いなりずしも様々な変化を遂げて現在の形に落ち着いたようです。
※画像はイメージです
※「食の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています
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