1980年代の喫茶店のヨーグルトメニューはレトロを超えた斬新さ!「喫茶&スナック1981年11月号」

実は1980年代前半に日本でブームを迎えたヨーグルト。喫茶店でもヨーグルトメニューは爆発的ブームで、さまざまなメニューが開発されました。

ヨーグルトが大いに発展した時期だけあって、現代には考えられないレトロでどこかユニークなメニューがたくさんあったのです!ここでは昭和56年(1981年)に旭屋出版から刊行された「喫茶&スナック11月号」を見ながら、当時のヨーグルトの世界を巡ってみましょう。

80年代前半、ヨーグルトが大流行!

当時の特集は「ヨーグルト・メニュー」

フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く作っており、1980年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶&スナック」を制作していました。今回は1981年11月号の記事を見てみましょう!

1980年代までは、従来のハードタイプのヨーグルトが主流で「子供のおやつ」程度の扱いを受けていましたが、この時代になると過度の甘味や添加物を含まないプレーンヨーグルトが市販されるようになったそう。

なんとこの号では、喫茶店のヨーグルトメニューだけで64種類も紹介されていました。当時を知る編集者によると、スマホがなかった時代なので、珍しいヨーグルトメニューがあったらイラストに書いて持ち帰って、編集スタッフで持ち寄せてかぶらないようにした…とのことで、苦労が感じられますね。ここでは、64種類のヨーグルトメニューの中でも、特に個性的なヨーグルトメニューを紹介!

当時の最先端!“新しい”ヨーグルトメニュー

シロップは別皿なので甘さの調節もできた様子

まず、ヨーグルトというと「瓶詰めに入った酸っぱいもの」という固定概念が強かった時代。そんな年配客に向けたのが「ヨーグルトグリーン」。メロンシロップで作ったゼリーをヨーグルトの中に入れて、スイーツ感覚で楽しんでもらおうと開発されたもの。今では当たり前ですが、こんな工夫もあったんですね。

見た目が可愛いので、売り切れることも多かったそう!

ヨーグルトは女性を中心にブームになったので、ヨーグルトのダイエットケーキといったものも好評だったようです。こちらの「ヨーグルトザーネ」はレモンとリキュールをヨーグルトに加えて、キウイを加えた低カロリーケーキ。見た目もさっぱり風味で。健康を意識している人にもウケが良さそうですね。

杏のシロップ煮をバラのように盛り付けてあるのが可愛い

当時の喫茶店では、年配客にヨーグルトをどう売るかが悩みだったそうで、大人なデザートに仕上げたものも人気があったようです。こちらのアンズを使ったヨーグルトデザートは、杏ゼリーの上にババロアをのせて、周りにヨーグルトを流し込んだもの。ゼリーとババロア、ヨーグルトがすべて味わえる贅沢な一品。

ヨーグルトとは思えない!喫茶店ならではのこだわりのメニュー

見た目もクール!

この時代、ヨーグルトの概念が大幅に変わったそうで、こちらのゼリーはブルー・ハワイのシロップのゼリーにヨーグルトソースをかけたもの。このゼリーとヨーグルトの活用法が珍しかったそうで、一味違ったメニューとして紹介されています。

パイナップルとホイップクリームの配置はまるでアート……

ヨーグルトといえば、フルーツがよく合う!ということで考えられたのが、「ハワイアンヨーグルト」。冷水を張ったアイスペールにガラスのボールをのせて、ヨーグルトとフルーツをのせた豪華なメニュー。これを頼むとインパクトが強すぎるのか、隣の客も気になって注文してしまうほどの人気ぶりだったとか。

あくまでも“メロン風“の容器なので食べられません!

「フルーツヨーグルト」という名称なので、容器もメロンにしました!……という気合の入った一品。フルーツをたっぷりと器に入れて、ヨーグルトとアイスクリームをシェイクしたものをかけた冷たいスイーツ。ストローでヨーグルトを吸いつつ、フルーツをすくって食べるというのがスタンダートだったとか。

ヨーグルトのその先へ!新次元のメニュー

今の時代ならインスタ映え間違いなし!

「ファッショナブルレディのためのヨーグルト」というキャッチが付けられたのがこれ。「ヨーグルトレインボー」は見た目がカラフルだけあって、目で楽しむヨーグルトだったそう。フレーバーもストロベリー、プレーン、レモン、オレンジ、メロン、ブルーハワイと6種類が楽しめるからお得ですね。

「低カロリーメニュー」ということで、カロリーを記にする女性向けだったよう

さらに、インスタ映えしそうなメニューがもうひとつ。コーンをのせてアイスクリームっぽさを出しつつも、ストロベリー風味のフローズンヨーグルトが楽しめるという不思議なメニュー。フローズンヨーグルトの上にプラムものっていて、なかなかおしゃれ。

実際に注文があるのは週に1度くらいだった様子

最後は、もはやヨーグルトなのかどうか不明なメニューをご紹介。こちらの「ベジタブルパフェ」は“納豆”とアイスクリーム、ヨーグルトを混ぜて野菜と“ちくわ”をのせた挑戦的なメニュー。味が気になるところですが、話題性はバツグンだったようで、これのおかげでヨーグルトメニューの売上はアップしたそう。

80年代のヨーグルトは今見るとすごく面白い!

喫茶店が全盛期ならではの個性あふれるメニューがたくさんありましたね!今では、健康を意識したものやおしゃれなスイーツなどさまざまなバリエーションのあるヨーグルトですが、ひと昔前だと結構違うもの。現在では味わうことはできませんが、斬新なアイデアも多いので、おうちで試してみるのはいかがでしょうか?(ただし、再現するのはすごく難しいものも!)

※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。