コーヒーの歴史と発祥は?カフェマニアが解説

コーヒーといえば身近な嗜好品ではありますが、一体いつコーヒーが飲まれるようになったのでしょうか?そして、コーヒー発祥の地はどこなのでしょうか?

ここではカフェやコーヒーに関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部がコーヒーの歴史と発祥を解説。もっとコーヒーについて詳しくなりたい人におすすめ!

もともとコーヒーはイスラム寺院「秘蔵」の飲み物だった

画像素材:写真AC

コーヒーはアフリカ大陸北東部の工チオピア山地が原産地だと言われます。地元では疲労回復や薬用として飲まれていたものが、アラビア人によって現在のコーヒーの形に作り上げられ、イスラム諸国に広がっていきました。 イスラム諸国で広まったのは、コーヒーに眠気を覚ます効果があることを経験的に知っており、夜通し祈りをする際の重宝な飲み物だったということが挙げられます。こうした飲み物は「カーファ」と呼ばれ、イスラム教寺院の中だけで飲まれていたようです。

15世紀半ば、アラビア半島南端の都市アデンのイスラム寺院で一般信者にもコーヒーが許されるようになると、信者から一般庶民にまで、中近東一帯の国々に急速に浸透していきます。

世界初のコーヒー店誕生から約10年でヨーロッパへ拡大!

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それまで、カーファが飲めるのは、ほとんどが露店でした。しかし急激な拡大の中で、早くも世界初のコーヒー店が登場します。場所はオスマン帝国の首都イスタンブールで1554年のこと。それから100年後には、ヨーロッパ中の都市に伝播していきます。

イギリス・ロンドンでは1652年にコーヒーハウスが誕生。この頃は、「コーヒーは万病に効く」という触れ込みで客を集めました。当時のコーヒーハウスは男性にのみ開かれた場所で、男たちはコーヒーを片手に、様々な職業の人から情報を得る場として利用されていました。

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いかに人々がコーヒーを求めたかは、それから13年後のロンドンに、コーヒーハウスが3000軒もできていたことからも明らか(当時の人口は40万人)。

フランスでも、パリのカフェを中心にしてコーヒー文化が栄え、多くの芸術家たちがカフェで芸術論議を戦わせました。その他、ドイツやイタリアでも、様々な形でコーヒーは芸術や文化の発展に寄与していきます。

様々な抽出法の発明で、さらにコーヒーが美味しくなった

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18世紀中頃には、フランスでドリップ式のコーヒー抽出法が発明されます。それまでのイブリック(トルコでは「ジャズベ」と呼ばれる)で煮出すトルコ式コーヒーでは、どうしてもコーヒーのカスが入ってしまいました。この問題を解決し、しかも以前にも増して洗練された味わいが、人々をさらに虜にしていきます。これ以降、様々なスタイルの抽出法が登場。

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サイフォンは19世紀中頃、イギリスのナピアによって発明というのが一般的。20世紀に入って現在の形になったもので、歴史的には新しいものです。ダッチコーヒーは、その名の通りオランダ式。オランダ人がインドネシアで考案した抽出法。イタリアのエスプレッソは、20世紀初頭の1901年、イタリアのミラノでルイジ・ベゼラ氏が発明したものです。

抽出方法が発達し、味も次第に洗練されていったコーヒー。 イギリスではコーヒーハウス、フランスではカフェ、そしてその後は19世紀、極東・日本ではカフェーを舞台に、コーヒーという飲み物は当時の文化人たちを魅了し、様々なバリエーションが発展していきます。

最新設備でコーヒー豆が大量に増産できるように

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「コーヒーの故郷」とも言える国イエメン。かつてモカ港から出荷された「モカ・マタリ」は一世を風靡しました。元々生産量が少ないものでしたが、現在はさらに量が減っているというのが現状です。

これは、イエメンが自然の地形に任せ、ほとんど水のある所(またはその近く)でしかコーヒーを栽培していないという事情があります。しかもイエメンのコーヒーの木は背が高く、梯子に登って手で収穫するという、昔ながらの方法を行っているというのが現状。イエメン産のモカは生産量が少ないため、同じ緯度で地理的にも近いエチオピア(紅海を挟んでアラビア半島の向かい)産のモカが増えているのではないかという話も。

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新技術を導入して生産量を拡大しているのが、世界最大のコーヒ産出国・ブラジルです。ブラジルでは近年、生産地が北へ移動しています。これはコーヒー栽培の“天敵”である霜を逃れるためで、標高が高く霧の発生が少ない場所を選び、大規模工事によって土地改良から行い、灌漑設備を施し、機械も導入して、今まで水のなかった所でコーヒーが作れるように。

生産事情によって産地が変化し、それによって農産物であるコーヒー豆の味も、実はかつて飲んだ味とは違った個性を持つようになってきています。こうしたことは生産国各国に当てはまり、今のコーヒーの味は、昔の味とは徐々に変わってきているのです。

そして、コーヒーは有機農法の時代へ

健康への関心から、最近では有機農法や無農薬農法などが注目されています。最近では、有機農法の生産者団体と直接取引する業者も増えてきて、小さなコーヒー店でもこだわりの有機農法のコーヒーが味わえるように。ますますコーヒーの楽しみ方が増えてきています。

※画像はイメージです
※MOOK「料理と食シリーズNo.13 コーヒー」に掲載した内容を再編集しています