1970年代の大阪で開発された喫茶店メニューとは?「喫茶&スナック第12集」

1970年代、喫茶店は客を呼ぶためにコーヒーだけでなく、さまざまなメニューを開発して提供していました。特に大阪ということで凄まじいインパクトのメニューがたくさん!

もちろん、今でも現役の定番メニューはたくさんあるのですが、現代には考えられないどこかレトロでユニークなメニューもたくさんあったのです!ここでは昭和53年(1978年)に旭屋出版から刊行された「喫茶&スナック第12集」を見ながら、過去の喫茶店の世界を巡ってみましょう。

1970年代、大阪の喫茶店は商品開発の百貨店だった!?

当時の特集は大阪特集

フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く作っており、1970年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶&スナック」を制作していました。今回は昭和53年(1978年)に発売された第12集を見てましょう。

記事によると、大阪の喫茶店は、商品開発の百科事典であり、儲かる商品づくりの参考書であると言われていたとのこと。新しい材料を何気なくこなし、ありきたりのメニューを新製品にアレンジしていたとのことで、大阪では当時の最先端を行くメニュー作りが行われていたんですね。

どえらいピザがたくさん!

ピザがお皿のようになっているのがユニーク

今でも喫茶店は休憩からランチまでさまざまな使い方ができますが、お腹をいっぱいにさせる定番メニューといえば「ピザ」。ピザというと当時はナポリタイプのピザは少なく、ミックスピザが基本なのですが……それだけじゃつまらない!個性的なピザがたくさんあります。

こちらの「ピザ・ハンバーグ」はピザの上に直接ハンバーグを置くというボリューム溢れる一品。しかも、デミグラスソースも別容器で出てくるので、気分はハンバーグセットのよう。ピザというものの概念を吹き飛ばすビジュアルですね!

真ん中のさくらんぼは奪い合いになりそう……

お次は「パインピザ」。21世紀になるとパイナップルをのせたピザは外食メニューではあまり見かけなくなりましたが、当時は全盛期だったようで具材はパイナップルとチーズだけというシンプルさが絶妙ですね。しかも、さくらんぼをのせているので、デザート的な使い方もできたのかもしれません。

ピザの上にはうずらの玉子がいっぱい!

さらに、「うずらの玉子ピザ」なんていう変わり種も。見た目は少し不思議ですが、これは現代でも居酒屋などで真似してほしいメニューですね。基本的にシンプルな具材のピザが多いので、トッピングの個性もより引き立つのかもしれません。

お腹を満たすならこれ!お米料理&シチュー

どれもボリュームたっぷり!

シチューは食べごたえがあるメニューとして、今でも大人気ですが、当時の大阪人もシチューには可能性を感じていたそうです。こちらの「アメリカシチュー」と「ギリシャシチュー」は、その国のイメージをシチューで表現したもの。アメリカなら肉とじゃがいも、ギリシャなら海鮮と非常にわかりやすいですね。

ちなみに、写真上部の「イングランドシチュー」というのは、ローストビーフ風の料理。本場イングランドの名物メニューに合わせていたりと、どれも割と本格的。

ピラフの真ん中をくり抜いてカレーを入れています。まるで「ダムカレー」のよう。

そして、カレーライスといってもその概念にこだわらないのが大阪風。こちらの「海老カレー」は、ルーに海老が入ってるのではなく、海老ピラフ+カレールーなのです。つまり、海老ピラフにカレーをかけるというなかなかのアイデア商品。

こんな発想があったか!個性派サンドイッチ

サンドイッチをブロックのように重ねると「機関車」になります

次にご紹介したいのがサンドイッチ。味は抜群だけど個性を出したい!そんな願いが込められたラインナップがこちら。

「デゴイチサンドイッチ」は鉄道好きな人におすすめしたい一品です。一見するとお子様ランチに見えるのですが、サンドイッチがたっぷりとのっているので満足度も高いという男性向きのメニュー!

ホットサンドとメロンソーダというジャンクな組み合わせがたまらない!

次に見てほしいのが「ウエスタンセット」。ホットサンドにサラダ、コロッケというのは分かるのですが、メロンソーダも含めてのセットです。当時のセットメニューはプリンやアイスなど、お子様メニューのようにワンプレートで提供されるものが多いですが、アルミ皿の上にそのまま置かれているのも珍しい……。

すしのように食べられるサンドイッチ

「サンドイッチなんて西洋かぶれなものは食わん!」という人もいたそうで、そんな人に向けたのがこの「和風サンド」。すしの盛り合わせのように、のりを巻いたサンドイッチがユニーク。船のような器を使い、雰囲気も合わせてくれるという点は、大阪人の本気を感じられていいですね。

ボリューム抜群!お腹いっぱいになりそうなサラダ

メインを頼まなくてもサラダだけでお腹いっぱいになりそう!

糖質制限ダイエットをしている人は主食を抜くというスタイルもありますが、当時の喫茶店サラダはトーストがいらないほどにボリューム抜群!この「ハンバーグサラダ」はまさにハンバーグプレートのような食べごたえのあるサラダ。

演出もまた食事の楽しみのひとつ

こちらの「玉子サラダ」は取っ手のついた木組みの台に置かれていて少しおしゃれ!シンプルなサラダも盛り付けの工夫などでお客を喜ばせていたんですね。

そうめんも添えてあるので、その分のカロリーが気になるところ

焼き肉を食べたいけどカロリーが気になる…という人に向けたのが、この「焼き肉サラダ」。焼き肉とサラダの割合が半々なので、ダイエットしている人でも気楽に注文できそうなメニューです。しかし、これにご飯orトーストがセットになるので、結局ヘルシーさがウリというよりもボリューム重視になってしまっていますが。

70年代の大阪の喫茶店メニューは今見るとすごく面白い!

喫茶店が全盛期の時代ならではの個性あふれるメニューがたくさんありましたね!紹介したのはあくまでもユニークなもので、基本的には現在でも人気のメニューもたくさんありました。ただ大阪ならではの斬新なアイデアの商品も多いので、おうちで自分で作って食べてみるというのも面白いですね!

※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。