自家製麺とは?小麦粉の扱い方や手作りの魅力をラーメンマニアが解説
最近増えつつあるのが自家製麺を使ったラーメン屋。自分の店で製麺機を使って作る麺を自家製麺といいます。店からすると、どのような魅力があるのでしょうか?
ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部が自家製麺で使用されている小麦粉や作り方などを解説していきます。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!
自家製麺の個性と強みは?
中華麺の味や香り、食感は、 配合(小麦粉の種類、加水率、かん水の種類と量、塩の蜃、卵などの副材料)と作り方(生地の練り方、 練り水の温度、圧延方法、切り刃、熟成方法、製造環境 )の2つの要素が大きく影響します。
特に、中華麺独特のコシと風味は、 使用する小麦粉と塩、 かん水により生まれるものなので、自家製麺ではそれぞれの種類や配合によって固さ、なめらかさ、伸びにくさ、香りを調整することが可能なのです。
最近は、以前にも増して麵の味や香りへの関心が髙まっている傾向にあり、これを特色とした小麦粉も製粉メーカーにより紹介されています。さらに、麺の風味や香りを高める方法の一つとして、全粒粉を一部配合するという工夫もみられるように。
また、 つけ麺の人気定着と共にインパクトの強い歯応えをもつ太麺を使ったメニュ—が増えてきていますが、強力粉や中華麺用の粉だけを使って太麺を作ると、固すぎると感じられることもあります。そこで、うどん用の中力粉を適宜加えることによって、心地よい硬さともちもち感のある麵に仕上げる場合も。
中華麺作りで重要なのは加水率と水温
博多ラーメンに代表される低加水の麺から、手打ちラーメンに代表される多加水の麵まで、中華麵にはさまざまな加水率があります。それによって麵の食感が変わるため、 作りたい麺に合わせて適正な小麦粉の配合と共に、適正な加水率を選ぶ必要があります。
安定した麺を作るためには、生地の練り上げ温度を20〜30℃にコントロールするのがポイント。小麦粉の保管場所やこね水の温度が変化すると、こね上がりの生地状態が変わってしまい、 最終的には麺の個性が安定しなくなります。
そのため、小麦粉に最適な保管場所や温度が安定した作業場を確保することが望ましいのですが、お店や自宅ではなかなか難しいというのが現状。その場合は、練り水の温度を調整し、練り上げ温度を20〜30℃にもっていくのが簡単でよりよい方法です。
湿気と臭いは中華麺の大敵!
小麦粉は特に湿気に敏感。高温多湿な場所に置くと、湿気を吸ってカビが発生したり、固まったりして、品質が劣化するおそれがあるため、25℃以下で風通しがよく、極端な温度変化のない場所で保管します。床に置く場合は、必ずスノコを敷いた上に置くようにするのがマスト。
また小麦粉は臭いを吸着しやすい性質があるため、洗剤、灯油など臭いの強いものの近くには保管します。塗り替えたばかりの壁の近くや、排水溝の近くなどに置くのも避けるのが基本。
原材料の扱い方にこだわるのが自家製麺!
料理で大事なことは原材料を吟味すること。自家製麺においては主材料である小麦粉や水、かん水を厳選しているので、よりスープに合った店主こだわりの自家製麺が作ることができるのです。
※画像はイメージです
※MOOK「繁盛ラーメン店から学ぶ自家製麺の技術」に掲載した内容を再編集しています