煮干しの種類ってどれくらいあるの?ラーメンの煮干しの基礎知識をラーメンマニアが解説

煮干しラーメンのスープ、タレに使われる煮干しはどんな魚を使っているのでしょうか?

ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部が煮干しの種類と乾物や節類の基礎知識を解説していきます。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!

イワシの煮干し・カタクチイワシ

画像素材:写真AC

■背黒
片口イワシの背の部分が黒いものを「背黒」と 呼びます。いわゆる煮干しっぽさが一番強いのが、この片口煮干し。大型のタイプほど脂が乗りやすいため強めの出汁に。小型のものほどあっさりとした上品な味わいの出汁になる傾向があります。

また、脂の乗りの具合により、 風味の特徴が異なってきます。脂がのったものは、 酸化して赤黄色っぽくなるので 「焼けあり」という表現をすることも。

画像素材:写真AC

■白口
片口イワシを原料とした煮干しの、背の部分が白いものを「白口(シロクチ)」と呼びます。白口のほうが背黒より上品なだしになる傾向に。白口も、魚体の大きさ、脂の乗り具合により、味の特徴が異なってきます。「カエリ」は片口イワシの稚魚の煮干しで、片口煮干しの中で一番上品なだしがとれるとされています。

イワシの煮干し・その他

画像素材:写真AC

■平子煮干し
平子(ヒラゴ)=マイワシを原料とする煮干しで、片口煮干しと比較すると、甘みのあるややあっさりした味わいながら、しっかりした魚介感もある出汁がとれるのが特徴。片口煮干しと並んで広く使用されています。

画像素材:写真AC

■ウルメ煮干し
ウルメイワシを原料にした煮干し。片口煮干しよりあっさりしていて、クセの少ない上品でシャープな出汁がとれるのが特徴。サイズの大小で、風味の強さが変わります。

その他の魚介類の煮干し

画像素材:写真AC

■アジ煮干し
主にマアジを原料とする煮干しで、甘みと程よい出汁感のある味わいが出ます。

■サバ煮干し
小型のサバを加工した煮干し。 淡泊な味わいながらも、しっかりとしたコクのあるだしに。

画像素材:写真AC

■アゴ煮干し
トビウオを原料とする煮干しで、独特の甘みのあるだしがとれます。素材としての希少感・高級感もあり、和食の他、ラーメン用としても人気。

■焼き片口煮干し
片口煮干しに焼き加工を施すことで、香ばしさが出て、より強い味わいに。

■焼きアゴ
トビウオを原料として、焼き加工が施されたのが 「焼きアゴ」で、直火で焼き加工したタイプと、開きにして焼き加工するタイプがあります。

煮干しと合わせて使うことが多い魚貝の節類・乾物・食材

画像素材:写真AC

■ウルメ節
ウルメイワシを原料とした節類。ウルメ節はウルメ煮干しに近い味わいながらも、節ならではの香ばしい出汁がでるというのが特徴。

■サンマ節
サンマを原料とした節類。 サンマの味を残したやや淡泊な出汁が取れるのが特徴。

■スルメ下足
イカゲソを乾燥させたもので、出汁のメインというよりは、深みを与える目的で使用されることがあります。

画像素材:写真AC

■ムキエビ
ムキエビは、海老の殻をむいたものをボイルしてから乾燥させたもので、しっかりとしたエビ風味の出汁を取るのに向いている素材。

■素干しエビ
ナイカイスジエビを乾燥させたもので、しっかりした殻が付いた状態で加工されているため、出汁用として、また香味油の原料にも向いています。

■アミエビ
アミエビ(アキアミエビ)を乾燥させたもの。 比較的小型で、殻の部分も柔らかいので、トッピングとして使わることが多い傾向に。

■サクラエビ
サクサクした食感で、身には上品な甘さがあり、トッピング用としても具材としても使用できます。国産品は人気の高級な素材で、近年は台湾産も多くなってきました。

画像素材:写真AC

■ホタテ貝柱
ホタテ貝柱を乾燥させた、干し貝柱。ホタテ特有の強い甘みと旨味を持ちます。近年、生産量が落ちて、相場も高騰を続けています。

■イタヤ貝柱
イタヤ貝の貝柱を乾燥させた貝柱。ホタテ貝柱よりややあっさりしていますが、ホタテ貝柱の代用品として広く使われています。

こんなにある!煮干しの種類

煮干しというと片口イワシで有名ですが、ラーメンのスープに使用する煮干しは種類豊富なんです。それぞれ独特のコクをもっているので、ぜひいろいろな煮干しを組み合わせてスープを作ってみてくださいね。

※画像はイメージです
※MOOK「最新解説ラーメンの調理技法」に掲載した内容を再編集しています