ラーメンに使用する鶏ガラの部位はどれだけある?一覧にしてご紹介
銘柄鶏や地鶏など、その銘柄をウリにしたスープ作りをしているラーメン店も多いですね。ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部がラーメンに使用する鶏ガラの各部位ごとの主な形状と、出汁にした時の特徴を解説していきましょう。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!
1、胴ガラ・首ガラ
ラーメンのスープで、最も利用されている部位で、現在流通しているもののほとんどが若鶏のガラと、何割かが地鶏のものになります。ガラには、胸の部分だけの「胴ガラ」と頭を落として、首から背、腰部分までついている「首ガラ」とがあります。
よく動かす部分なので筋繊維が多く、深いコクがある出汁がとれ、首ガラを使うと味はくどくなる傾向に。首に少量ついている肉は「せせり」と呼ばれ、首の皮とともに、とても味がよいことで知られています。
2、鶏足(モミジ)
鶏の足元、人間でいえばくるぶしからつま先までの部分を指し、モミジの葉のような形から名づけられました。すね部分まで付いているものもあり、モミジはコラーゲンを非常に豊富に含んでいます。コラーゲンは加熱するとゼラチンになり、煮汁に溶け出すため、煮込むとゼラチンがたっぷり抽出できて、出汁もよく出る傾向に。
ガラとモミジを合わせて使うと、バランスのよいだしが取れるといわれます。
3、頭と小骨
鶏の頭は、脂がのっていて独特の味と香りがあるだしが取れますが、脳みそがあるため苦味が出ます。
そして、小骨は足の正肉をさばくときに出る「く」の字型の骨。人間でいうと、腿とすねの骨に当たり、よく動かす部分なので、旨味があります。
番外編1、丸鶏
鶏ガラでありませんが、丸鶏もラーメンスープを作成する際によく使われる素材。
丸鶏とは、鶏の羽、内臓、排泄器官、気管、食道、頭を取り除き、足を蹴爪(指の半分)のすぐ上で切り落としたもの。加熱調理したときに、皮が縮んで胸部分の肉がむき出しにならないように、首の皮は1/2残します。丸鶏はスープの基本的なうまみをとるために必要な具材ですが、鶏の種類によっても味わいが変わってきます。
番外編2、ひね鶏
ひね鶏は「老鶏」や「爪鶏」とも呼ばれ、深みのあるよいだしが取れることで重宝されています。生後2年のメス鳥を上述の丸鶏にしたもので、採卵用鶏は、生後約5か月で卵を産み始め、生後約2年まで採卵用として飼育されます。重さは約1.2kgになり、成熟し脂がのっているため、イノシン酸やアミノ酸といった旨み成分が豊富で、よいだしが出て、香りも良好。
鶏ガラの部位はこれだけ種類がある!
一口に鶏ガラといっても、部位によって用途はさまざま。それぞれに特徴があるので、スープにも違いが出てきます。ぜひいろいろと比べてみてくださいね。
※画像はイメージです
※MOOK「人気ラーメン店を開業するための本」に掲載した内容を再編集しています