なぜ鍋の出汁は美味しいの?鍋に昆布だしが使われる理由は?和道一筋がわかりやすく解説!
寒い季節にぴったりの「鍋料理」。温かいお鍋を食べると、ほっと落ち着きますよね。この時期に大活躍のお鍋ですが、なぜ出汁に昆布が使われるかご存知でしょうか?
この記事では、鍋料理の昆布だしや醤油、味噌の役割について和道一筋がわかりやすく解説していきます。
鍋料理の昆布だしの役割は?
鍋料理の出汁にはカツオ節ではなく、昆布が使われることが多くありますが、なぜ昆布だしなのでしょうか。これは鍋料理で使われる具材と、昆布の主成分である「グルタミン酸」が関係しています。鍋料理のうま味の主体は、肉や魚を中心とした具材からでる「イノシン酸」という旨味成分。この「イノシン酸」には、昆布の「グルタミン酸」と同時に使われた時に、味の相乗効果で、旨味が飛躍的に増すという特徴があり、そのため鍋料理には昆布だしが使われているのです。
昆布は鍋の最初から入れると、加熱によって旨味が溶け出します。この時、通常の料理の出汁を取るときとは違い、十分に加熱し、昆布の旨味が全て出るまで入れたままにするのがポイント。鍋料理の場合はさまざまな具材が入り、調味料で味付けもされるため、海草臭さが出ても気にならずに食べられます。
出汁の味付けの特徴は?
昆布だけの「水炊き」や、酒粕を使う鍋以外の一般的な鍋料理には、醤油か味噌が加えられます。これらの調味料には、昆布同様に「グルタミン酸」が含まれているのが特徴。特に、主成分が大豆や小麦である醤油には、「グルタミン酸」の中でも、「アミノ酸」が多く含まれていて、牛肉の「イノシン酸」を引き立てる効果があります。例えば、すき焼きに醤油を加えると、特有の旨味が出てくるのも、「グルタミン酸」が牛肉の旨味を最大限に引き出すからなのです。
また、醤油や味噌が持つ「グルタミン酸」は、昆布と違い、醸造時の微生物による働きにより、特有の香りが出るのも特徴の一つ。この香りは、動物性食品が持つクセのある臭いを消す効果があり、鍋料理の肉や魚の旨味を引き立てます。
鍋料理の出汁には旨味を引き立てる「グルタミン酸」が豊富!
鍋料理の出汁に使われる昆布には「グルタミン酸」が豊富に含まれていて、これが鍋の旨味成分である「イノシン酸」に相乗効果をもたらしています。皆さんも、鍋料理に欠かせない出汁をぜひ味わって食べてみてくださいね。
※画像はイメージです。
※「料理と食シリーズ No.6 鍋料理 汁料理」に掲載した内容を再編集しています。
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