鍋に入れると美味しい魚介類は?和道一筋がわかりやすく解説!

寒い季節にぴったりの「鍋」。家でも手軽に作れることから、全国で親しまれている料理ですが、どんな具材を入れようか、何鍋にしようか考えてしまいますよね。

この記事では、鍋に入れると美味しい魚介類について和道一筋がわかりやすく解説していきます。

鍋の魚介類の特徴は?

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魚介類には三大うま味成分である「イノシン酸」が多く含まれているため、鍋に入れることで、その旨味が鍋に溶け出します。魚介類は味が淡白な白身魚を使うことが多い傾向にありますが、脂がのった旬の魚を使うことでコクのある鍋になるのが特徴。また、各地の郷土料理ではカニやエビ、ハマグリ等の特産物が使用されています。これらの甲殻類には、殻などに旨味が含まれているため、少量加えるだけでも鍋の旨味を増す効果が期待できます。

鍋に入れると美味しい魚介類 9選!

アンコウ

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アンコウを使った「アンコウ鍋」は水戸の名物。上肝、エラ、ヒレ、皮、胃、卵巣、ほほ肉は「アンコウの七つの道具」と言われるほどで、全て食べることができるが特徴です。お肉だけではなく、内臓や皮も美味しいのが魅力で、上品な味わいを楽しめます。身が柔らかいので、吊るし切りといって、顎骨に鉤をかけ、宙吊りにしておろします。

サケ

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料理法が多い魚で、スーパーでも手に入りやすい食材。サケは捨てるところが少ないので「猫泣かせ」という異名があるほど、食材を無駄にすることなく調理できるのが特徴です。北海道の郷土料理として知られる「三平汁」や「石狩鍋」も有名。サケは秋口に川にのぼる直前のものが美味しく、秋の寒くなった頃に食べる鍋におすすめの具材です。

タラ

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漢字では「鱈」と表されるタラは、字の如く冬場が旬の魚。クセのない淡白な味わいが特徴で、たらを使った「たらちり鍋」が代表的な鍋料理です。その他にも、郷土料理に使われることが多く、青森の「じゃっぱ汁」、秋田の「ダダミ鍋」、山形の「どんがら汁」が有名です。主産地の東北地方でよく食べられています。

どじょう

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日本を含む東アジアからタイ北部あたりまで分布し、湖沼や水田の泥底に生息しています。旬は産卵期を迎える夏場で、小さいものはそのまま、大きいものは割いてから使われます。日本では東京の下町に伝わる郷土料理「どじょう鍋」が有名。昔は安価で手に入りやすかったことから、夏バテ対策として食べられていたと言われています。

骨までしっかりと煮込まれていて、どじょうの柔らかい食感が楽しめます。魚特有の生臭さが気になる人もいますが、味付けには味噌などが使われているため、泥臭さはなく、ネギなどの薬味とも相性抜群です。

ハタハタ

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北日本に分布する魚で、晩秋から冬場にかけてが旬の魚です。白身魚ですが、脂肪分が多く、独特の旨味があるのが特徴。ハタハタが名産の秋田では、煮物や焼き物、汁の材料など幅広く活用されています。鍋料理としては、ハタハタを発酵させて作る魚醤を使った「しょっつる貝焼き」が有名です。

フグ

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フグを使った「フグ鍋」は鍋料理のエース的存在。淡白なわりには旨味が強く、良いダシが出るので、鍋の後には雑炊にするのがおすすめです。珍重されるトラフグをはじめ、マフグやハコフグなど10種類以上の種類があるのも特徴。フグは一年中味わえますが、味が良いのは脂がのる冬場で、旬のフグを使った大阪名物に「てっちり鍋」などがあります。

カキ

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食用の歴史が古く、紀元前のナポリでは既に養殖が行われていたと言われています。日本では広島が養殖発祥の地で、「カキの土手鍋」が有名です。「カキの土手鍋」は鍋の内側に味噌を塗り、野菜や豆腐、カキを煮込みながら調理するのが特徴で、味噌仕立ての出汁がカキの風味を引き立てます。お店でカキを購入する際は、身が盛り上がり光沢のあるものが新鮮です。

ハマグリ

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色と形が栗に似ているところから「浜栗」と呼ばれるようになったと言われています。「コハク酸」という旨味成分を含んでいるので、寄せ鍋などに少し加えるだけで、コクが増すのが特徴です。ハマグリの旬は春で、調理する際は、必ず生きているものを使うよう注意しましょう。打ち合わせてみて、澄んだ音がすれば生きている証拠です。

カニ

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世界には約5000種、日本には約1000種ものカニがいると言われていて、ズワイガニや毛ガニ、ワタリガニ(ザガミ)、ハナサキガニが人気です。カニスキやカニしゃぶなどのカニを贅沢に使った鍋料理の他、寄せ鍋などに少量加えるだけで、コクが深まるのが魅力です。

魚介類を使った鍋料理はさまざま!

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家庭でも取り入れやすいサケやタラから、各地で郷土料理として親しまれているアンコウやハタハタを使った鍋など、魚介類を使った鍋料理にはさまざまなものがあります。皆さんも、ぜひ旬の魚介類を使った鍋を楽しんでみてくださいね。

※画像はイメージです。
※「料理と食シリーズ No.6 鍋料理 汁料理」に掲載した内容を再編集しています。