「清まし汁」とはどんなもの?和道一筋がわかりやすく解説!

日本料理の吸い物として欠かせない「清まし汁」。皆さんは聞いたことや実際に口にしたことがあるでしょうか。実は清まし汁の味を決めるのに重要なのは「出汁」。それではなぜ清まし汁には出汁が大切なのでしょうか?

この記事では和道一筋が、意外と知らない清まし汁の特徴や、出汁の引き方について解説していきます。

そもそも「清まし汁」とは?

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「清まし汁」と言われることが多いですが、実は正しい名前は「お清まし」。清まし汁とは言わないんです。お清ましとは、一番出汁(昆布とカツオ節で引く繊細な出汁)を塩と醤油で調味した汁物のことを指します。お清ましは出汁の風味が決め手ですよ。

お清ましの出汁の引き方とは?

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それではなぜお清ましに出汁が重要かというと、季節によってお客さんに好まれる味が変わるためです。なんと多くの日本料理店では、それに合わせて材料の割合を変えるんです。
例えば、春を過ぎると昆布の風味を重く感じることから、春の彼岸から秋の彼岸までの時期は、昆布の量を減らします。昆布を使うと出汁が傷みやすくなるため、それを避けるという意味もありますよ。

反対に秋を過ぎると、昆布の旨味を「おいしさ」として強く感じる味覚になるんです。そのため秋の彼岸から春の彼岸の時期は、昆布を多めに使って昆布の旨味を引き立てます。

本当の名前は「お清まし」!

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清まし汁という名前で親しんでいる方もいるかもしれませんが、本当は「お清まし」というのが正しい呼び方なんです。また、季節による味覚の変化に合わせて出汁の配合を変えるというところに、日本料理ならではのこだわりを感じますね。
皆さんもお清ましを食べる時には、その出汁の風味にも注目して味わってみてくださいね。

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※「よくわかる日本料理用語辞典」に掲載した内容を再編集しています。