そば粉で作るパスタ!?ピッツォッケリとはどんなもの?ボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説
本場イタリアには今や500種類以上のパスタがあると言われていますが、実はそば粉で作るパスタがあることをご存知でしょうか。「それってもはや“そば”なのでは」…そんな風に感じるかもしれませんが、これが全くの別物。
ここではそんな気になるパスタ「ピッツォッケリ」の特徴や歴史について、ボ~ノ・イタリア~ノが解説していきます。
超ユニークなピッツォッケリとは?
北イタリア・ロンバルディア州で生まれた平たいパスタ、ピッツォッケリ。イタリア語で「布切れ」を意味する「“ストラッチ”パスタ」の一種で、パスタとしては珍しくそば粉を使用しているのが特徴です。見た目は少々厚い短冊型で、舌触りや噛み応え、口の中に広がるそばの香りが魅力。
日本のそばと同様にピッツォッケリもお店によってそば粉の配分を変える傾向があり、100%そば粉を使用するお店もあれば、小麦粉とブレンドして提供しているお店もあります。
ピッツォッケリの歴史
ロンバルディア州の北部ヴァルテリーナ地方は、スイスに面した寒冷な山岳地帯。そのため小麦の栽培が難しく、昔からそばの栽培が盛んでした。そんな背景があって、この地域ではピッツォッケリのようなそば粉を使ったパスタがポピュラー。パスタと合わせる野菜も寒冷な地域で育つものが多く、ヴァルテリーナ地方の魅力が詰まったパスタなのです。
ピッツォッケリの美味しい食べ方
そばの風味が特徴的なピッツォッケリですが、本場ヴァルテリーナ地方では定番の食べ方というものが存在します。元々冬場の寒い時期に体を温める目的で食されていたピッツォッケリ。地元で採れる冬野菜や貴重なチーズをパスタと合わせ、英気を養っていました。
茹でて甘みが増したちりめんキャベツやジャガイモ、そしてコクのあるバターやチーズをたっぷりと使うのがヴァルテリーナ流。余熱で溶けたチーズがピッツォッケリによく絡み、温もりを感じさせる1品です。
ピッツォッケリとはそば粉で作る平たいパスタのこと
ピッツォッケリとはそば粉で作られたヴァルテリーナ地方の伝統的なパスタのこと。もし食べる機会があったら、このパスタが生まれた背景などに思いを馳せてじっくり味わってみてくださいね。
※「新版生パスタの技術」に掲載した内容を再編集しています。
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