「ゆかり」というふりかけを知っていますか。兄弟もいる?和道一筋が解説!

「ゆかり」というふりかけで有名なのは、三島食品が製造販売する赤ジソのふりかけ。同社の登録商標であるばかりか、日本の赤ジソふりかけ市場の約9割を占めるので、有名なのです。

その「ゆかり」の名前の由来や食べ方、ふりかけについてを和道一筋がおいしくてためになる解説をします。

「ゆかり」の名前は、古今和歌集から

画像素材:iStock

「ゆかり」の商品名は、古今和歌集収録の短歌「紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る」(よみ人しらず)に由来します。

この歌は「紫草が一輪咲いているという縁(ゆかり)だけで武蔵野のすべての草花を愛おしく感じる」という意味で、紫がゆかりあるものの象徴とうたわれています。赤紫色をしたこの製品を表すのにふさわしい名前として「ゆかり」が採用されたそうです。

画像素材:写真AC

「ゆかり」という商品名は決まったものの、1960年(昭和35年)に中埜酢(現・ミツカングループ)によって商標登録済みであることが判明。幸いにも三島食品は中埜酢店と酢の取引があり、中埜酢店の厚意によって「ゆかり」の商標を使えることに。

その後、1999年(平成11年)にミツカングループから「ゆかり」の商標が三島食品に譲渡され、三島食品の登録商標となった経緯があります。

「ゆかり」には兄弟がいる

画像素材:写真AC

「ゆかり」は、名古屋周辺で食べられていた赤ジソの漬物をヒントに、1970年(昭和45年)に販売開始。今では発売元の三島食品の売上の3割を占める看板商品に成長しているそうです。その「ゆかり」に兄弟がいるのを知っていますか。

あかり、かおり、うめこ、ひろし、かつおです。

あかりは、まだらこを唐辛子などでピリ辛にしたふりかけ。かおりは、青しそ、ひろしは、広島菜のふりかけです。

「ゆかり」はご飯以外にも合う!

ゆかりはふりかけなので、ごはんにかけて食べるのは普通ですが、それ以外にも楽しみ方はあります。

たとえば、乱切りにしたキュウリにゆかり、塩昆布をまぶして、しばらく置いて食べるとか、せん切りキャベツと合わせてもんで食べるとか。玉子焼きを作るときに混ぜて焼いてもおいしいですよ。

そもそも、ふりかけは薬剤師が考案した

画像素材:iStock

ふりかけが誕生したのは、大正時代初期のこと。カルシウム不足を補うために、熊本の薬剤師さんは魚の骨を粉にして食べることを思いつき、ごまや青のりを調味料に加えることで魚が苦手な人でも食べられると考えたのが「ふりかけ」の始まりだそうです。

「ゆかり」はふりかけの一種で、さまざまな味が

画像素材:写真AC

「ふりかけ」は、できた当時は高級食材だったようですが、今では庶民の味方のような食品。「ゆかり」も様々な味わいができ、「ふりかけ」そのものも多様化していますので、新しい味わいのふりかけを探してみるのも楽しいのではないでしょうか。

※画像はイメージです。