にぎりずしの数え方とは?なぜ「カン」を使用するのか?すしマニアが解説

にぎりずしの数え方というと一般的には1カン、2カンと数えます。漢字で書くと貫になるところも多いですが、なぜカンを使用するのでしょうか?そして、2カンが基本セットになった理由は?

ここではすしに関する本を多く出版してきたすしマニア編集部がすしの数え方について解説していきます。すしに詳しくなりたい人におすすめ!

なぜにぎりずしの数え方がカンになったのか?実は定説はない

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にぎりずしの数え方について、カンを「貫」と書くようになっているところが多いのですが、実は正式に決まっているわけではないです。そのいわれも諸説あって、正確にはわからないというのが現状。

何故にぎりずしは2個ずつ出てくるのか?

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いつからか、にぎりずしは2個、つまり2カンずつ出されるようになりました。しかし、そもそも最初は1カンずつ出されていたのです。江戸時代に屋台の店で誕生した時は、1カンが当然でした。それが、昭和の初めには2カンずつ出されるようになったのです。正確にいつからか、そして何故そうなのかも不明。

次第ににぎりずしの大きさが、といってもすし飯(シャリ)の量ではありますが、減ってきて、すしが小ぶりになってから、2カンづけが始まったと考えられます。すし飯の量の減少傾向は、第二次世界大戦後に顕著に。代わりにタネのほうが大きく厚くなっていって、高級店にはすし飯がほんの申しわけ程度という極端なものまで出現し、現在は20グラム位のシャリが標準(店によって異なる)。そして2カンづけが普通となったのです。

にぎりずしの数え方は一般的にはカンではあり、2カンずつ食べるのは当たり前に

現代のようにシャリよりもタネに重点が移るのは、豊かな時代の当然の変化ではありますが、何故2カンずつ出すようになったのか、はっきりとした理由は分かっていません。昔のように1カンで出す店もあり、実際に1カンずつのほうが、すしダネの種類を多く楽しめることは確か。それでも2カンずつ出てくるほうが「にぎりずし」らしさを感じるので不思議ですね。

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※MOOK「料理と食シリーズNo. 2 すし」に掲載した内容を再編集しています