ラーメンの麺とは?その特徴やおいしい茹で方についてラーメンマニアが解説

ラーメン屋で提供される麺の太さや形状は、スープやタレと密接に結びついており、店によってさまざま。ラーメンを大きく左右する、大きな要素だけに、どの店も麵選びには、特に真剣に取り組んでいます。

ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部がラーメンの麺について徹底解説していきます。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!

麵は、太さや断面の形、形状でラーメンの味を決める

画像素材:写真AC

麵の形状は、ラーメンの味に大きな影響を及ぼします。縮れのついた麵は、他の麵に比べてスープののりがよく、たっぷりのスープと共に麵がすすり込めます。名店で縮れ麵を使用している店は多いのは、そうした理由。

また、麵には丸麵と角麵の2種類があり、麵の切り口の形状の違いで、丸麵、角麵といいます。店によって丸麵派と角麵派があり、これはお互いに譲らないのですが、両派の店とも「スープののりがよい、口当たりがよい」ことを主張しています。

さらに夏は細麵、冬は太麵を使うという店もあります。「夏にそうめんが好まれるように、暑い日はツルツル食べられる細めの麵の方が合う」というのがその理由。

麺は生き物。天候から、小麦粉の配合を微妙に変える

画像素材:写真AC

あくまでも自分で納得できる麵を追い求めている店主も。そうした店は、自家製麵、とりわけ麵に神経を使う店では、手打ち麵を出しています。

手打ち麵を守る店では、その日の気温や湿度に、特に注意を払っています。麵のコシや弾力は水分量で決まるもの。だから空気中の湿度の高低に合わせて、水分量も塩の量も卵も打ち方も変えます。

その日の湿度や温度によって、小麦粉の吸湿の度合いが違うから、毎日の微妙な差にも気を配らないと、毎日同じ麵のコシと弾力を実現するのは難しいのです。

麵の味と旨味は、「熟成」のさせ方が大きなポイントに

画像素材:写真AC

業者から麵を仕入れても、決して任せっきりにしていないのが、名店といわれる店に共通していること。

例えば、麵の熟成。牛肉の場合、新鮮なものより適度に熟成させた肉の方が旨味が出ておいしいですが、これはラーメンの麵についてもいえるようで、名店の中には麵の熟成を厳しく指摘する人がいます。「打ちたてより、熟成させた方が麵のツヤがいいし、旨みも増す。絶対おいしくなる」とのこと。

仕入れた麵が、その日に打ったものであれば、何日か熟成させてから使用したり、あらかじめ製麵業者に麵を熟成させたものを仕入れたりします。熟成も、保温庫や水温庫を使うなどさまざまな方法が。

麵を茹でる湯は、必ずしも新しいものが第一ではない!

画像素材:写真AC

茹で湯は、通常は白く濁ったら取り替えるもの。汚れた湯では、麵を上手く茹でることはできません。

ただ、逆に真新しい湯は使わない店もあります。「一番湯が肌を刺すように、新しい湯は、麵には刺激が強すぎる。だから麵を20~30個茹でた後の湯の方が、麵は絶対においしい」というのが理由。さらに、「新しい店では、茹で釜が小麦や塩分に馴染んでいないので、 余計に麵茹でが難しい」といいます。この名人は、新しく店を出したときは、茹で釜が麵茹でになじむまで、湯に小麦粉や塩を混ぜてから麵を茹でるとのこと。

次が、差し水。差し水をすれば、湯の温度が下がって茹で時間が長くなります。麵にとって良い状況ではない、というのが一般的。しかし、差し水をすることによって、均一に麵の中まで火を通すことができ、コシも弾力も一定になるということも。

ラーメンの麺をおいしく食べてもらうためにこんな工夫が!

ラーメンの麺はスープやタレによって味わいが変化しますが、麺そのものを追求すると、各店の工夫が見えてきます。打ちたての麵をもっと旨くするためにさまざま努力をしているのが各店舗。スープに注目が行きがちですが、麺にも注目してみてくださいね。

※画像はイメージです
※MOOK「料理と食シリーズNo.1 ラーメン」に掲載した内容を再編集しています