かん水とは?中華麺にはなくてはならない原料をラーメンマニアが解説

ラーメンに使用する中華麺は、かん水と呼ばれる炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどを小麦粉で練り込んで作られます。かん水は中華麺においてどのような役割をするのでしょうか?

ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部がかん水の特徴や種類を解説していきます。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!

かん水とは?

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かん水は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸塩のうち1種類以上を含む食品添加物のこと。食品衛生法に基づく食品添加物等の規格基準で定義されています。

中華麵づくリに使われるかん水は、大きく分けて、粉末かん水と液体かん水に分けられます。ただ市場では9割以上が粉末かん水が占めていると言われることが多いですね。

かん水はこんな働きがある

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ところで、中華麺においてかん水はどのような点で必須となるのでしょうか。中華麺づくリでは、小麦粉とかん水を合わせることで、主に4つの働きをします。

1、小麦粉のタンパク質に作用して弾力を持たせる
2、小麦粉に中華麵独特の風味を持たせる
3、小麦粉のでんぶんに作用して、麺に粘性を持たせる
4、フラボノイド色素に作用して黄色に麵を発色させる

よって、中華麺の弾力や風味はかん水によって作り出されているのです。

かん水には種類がある?

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■粉末かん水
一般的によく使用されるのが粉末。炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを中心にリン酸塩を配列した製品をいいます 。炭酸ナトリウムを化学合成して作るものと、地層に埋まっている天然鉱石のトロナ鉱石よリ炭酸ナトリウムを精製して粉末状にしたものがあります。

使用する際は水に溶かしてから。水に溶け難いものもあるので、製麵作業をする2日〜前日までに溶かしておきます。生麺の場合、小麦粉100に対して1〜1.5%の割合で使うのが一般的。

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■液体かん水
固形かん水を水に溶かしたもの。比重は1.20〜1.33でなければならないと定められています。濃度の関係上、成分は炭酸カリウムが主体。粉末かん水を溶かす手間がかからないことから、小規模単位の製麺を行なうところで使用されることが多い傾向に。炭酸カリウム主体なので、液体かん水を使い分けても麺質は限られます。

かん水は中華麺になくてはならないもの!

最後に自分で中華麺を作りたい!という人に注意してほしいことが一つ。かん水は強いアルカリ性のため、目や皮膚、粘膜に触れると炎症を起こすこともあります。バッケージに塞かれた注意事項をよく読んでから取リ扱うことはもちろんですが、手袋、めがね、マスクなどの保護具を付けてから取り扱うようにしましょう。

※画像はイメージです
※MOOK「繁盛ラーメン店から学ぶ自家製麺の技術」に掲載した内容を再編集しています