幕の内弁当の歴史とは?その由来をフードマニア編集部が解説

たくさんのおかずが魅力的な幕の内弁当。「幕の内」という名前からお相撲が起源の弁当なのかな、と思われがちですが実ははっきりとした由来はわかっていないとされています。

ここではさまざまなジャンルでグルメに関する本を出版しているフードマニア編集部が、幕の内弁当の歴史を解説していきます。

幕の内弁当が登場したのは江戸時代後期!娯楽とともに広まった文化

画像素材:写真AC

幕の内弁当が初めて登場したのは、江戸時代の後期に入ってから。一説によると、もともとは芝居小屋にて観客に向けて販売しており、休憩や場面転換といった幕と幕の間の間に食べられる弁当だったことから幕の内弁当と呼ばれるようになったとされています。

またその一方では、舞台関係者が幕の内側(舞台裏)で食べる弁当だったために幕の内弁当と命名されたとの説も。こちらによると、忙しい時でも手軽につまめるように改良された結果、一口サイズの俵型おにぎりと小さめのおかずがセットになった弁当になった。現在の幕の内弁当のご飯が型押しされているのはこの名残とされています。

画像素材:写真AC

他にも「芳町(現在の人形町)にあった『万久(まく)』という店が作り出したから」という説や、時代は異なるものの「戦国時代に戦陣の幕の内で食べた弁当だから」という説、「お結びが一口サイズだったことから相撲の小結と関連付け、やがて相撲の用語である幕の内という名前になった」などという説もあり、由来はさまざまだそう。

明治以降、幕の内弁当は駅弁の原型として各地に広がりを見せる

画像素材:写真AC

鉄道が敷かれると、以前よりも気軽に長距離の移動ができるようになりました。それに伴い、お米と副菜や酢の物がバランスよく添えられた幕の内弁当は長時間の移動向きということでさらに人気に!鉄道の普及と共に、日本全国へと広がっていきました。

幕の内弁当が登場したのは江戸時代の後期!明治には駅弁の定番に

江戸時代の後期、芝居小屋にて販売されていた幕の内弁当。明治に入り販売される場所が変わっても、ずっと愛され続けているのです。

※画像はイメージです
※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています