コロッケの歴史とは?その由来をフードマニア編集部が解説

今では庶民の味として馴染み深いコロッケですが、日本に伝来した明治初期は富裕層に向けた料理でした。しかし、昭和以降“とある理由“で爆発的に各家庭に広まっていくこととなります。

一体いつ、どういった理由で定番料理へと変化していったのでしょうか?ここではさまざまなジャンルでグルメに関する本を出版しているフードマニア編集部がコロッケの歴史を解説していきます。

明治初期、コロッケは富裕層向けの料理だった

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1887年、明治の文明開化によって西洋から伝わったクロケット。瞬く間に国民の注目を集めた料理でしたが、当時のレシピが見られたのは富裕層のみでした。

また、ほぼ同時期にはポテトコロッケも登場。残念ながらどういう経緯で作られたかは不明ですが、「当時の日本では乳製品の加工技術が普及していなかったため、クリームの代わりに芋を使った」という説が有力だそう。

大衆に向けてコロッケのレシピが公開されたのは、それから8年後の1895年。見栄えを考え様々な試行錯誤が行われましたが、1915年から1916年にかけて登場した俵型が支持を集めたことで、現在洋食店で扱われているコロッケの先駆け的な存在となりました。

大正時代、コロッケが社会現象に。昭和には冷凍庫の普及により大ブームを巻き起こす!

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1917年、笑劇『ドッチャダンネ』で歌われた『コロッケの唄』が大流行!大人も子供も口ずさむという社会現象を巻き起こし、ビフテキやトンカツと肩を並べる3大洋食として名を馳せます。

昭和に入り冷凍庫などの家電製品が普及したことで、給食用の冷凍コロッケも登場。さらに勢いは衰えず、1980年以降は外食やお総菜の需要も高まったことでどんどん大量生産されていくようになりました。

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ちなみに、お惣菜でよくみる小判型のコロッケが登場したのはちょうどこの頃。見栄えが重要視されていたそれまでの俵型コロッケとは異なり、一度に挙げられる量や重ねてもつぶれない形を重要視した結果、今のような形となったのです。

明治には高級品だったコロッケは、昭和以降一般家庭にも広まって国民食に!

初めは富裕層に向けて作られていたコロッケ。レシピの公開で一気に注目を集めただけでなく、昭和以降に冷蔵庫などの家電製品が普及したことで、給食のおかずやお惣菜という形でどんどん大衆に受け入れられ、定番料理として確立していったのです。

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています