ふりかけの歴史とは?その由来をフードマニア編集部が解説

手軽に使えて種類も豊富なことから、各家庭で大人気のふりかけ。ところで、ふりかけはいつ作られたのか、いつごろからこんなに身近な食材になったのかご存知でしょうか。

ここではさまざまなジャンルでグルメに関する本を出版しているフードマニア編集部がふりかけの歴史を解説していきます!

発明したのは薬剤師!?元祖ふりかけは大正生まれ

画像素材:写真AC

元祖ふりかけが誕生したのは、1913年の熊本県。当時薬剤師として働いていた吉丸末吉氏が日本人のカルシウム不足を心配し、乾燥させた小魚を粉末状にし、醬油などで味を付けたのがきっかけ。これが大人気となり、現在販売されているふりかけの原型となりました。

こちらの元祖ふりかけは現在も熊本のふりかけメーカー『フタバ』さんにて販売中。気になる方は試してみてはいかがでしょうか?

昭和初期、ふりかけは高級品だった!戦後以降は各家庭の食卓へ

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1927年、現在の『丸美屋食品工業』の元である『丸美屋食料品研究所』から、イシモチという白身魚を使ったふりかけが販売されました。その値段は強気の35銭!当時、カレーライスは約7銭、銭湯がおよそ6銭だったことを踏まえると、かなりの高級品だったと言えるでしょう。

高値で販売されていたこちらのふりかけでしたが、資産家や皇室関係者といった富裕層を中心にあっという間に大人気に!庶民の間でも、大切な人への贈り物として喜ばれていたようです。

戦後となる1959年には、『全国ふりかけ協会』という団体が設立。それまでは「○○の友」という名前で販売されていたふりかけでしたが、これを境にふりかけという名前が広く普及していきます。

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その翌年の1960年には、『丸美屋食品工業』からたまご味のふりかけが登場。玉子に含まれるたんぱく質が注目されていたこともあり、爆発的な大ヒットを記録。こちらは比較的手に取りやすい値段だったため全国の家庭へ広まっていき、現在でも長く愛される国民的なふりかけになりました。

ふりかけは大正発祥!昭和初期は高級品だったが、戦後からは庶民の味方に

はじめは企業ではなく、一人の薬剤師さんが発明したふりかけ。昭和のはじめには高級品だったふりかけでしたが、戦後以降は庶民の間にもどんどん広まっていき、食卓の必需品ともいえる存在になったのです。

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています