平均滞在時間4時間半の絶品イタリアン!佐賀県伊万里『カテクオーレ』

佐賀県伊万里市にあるイタリアンレストラン『カテクオーレ』。いまグルメ好きの間で話題沸騰中のお店であり、予約困難な人気店です。コース料理を提供するお店では総じて滞在時間が長くなるものですが、なんとこのお店の平均滞在時間は4時間半!シェフは事前の仕込みを一切せず、スタートと同時に調理を開始します。

なぜこのようなスタイルを取っているのか、そしてなぜこれだけの時間を割いてでも「食べたい」と思う人が後を絶たないのか。今回はフードマニ子がその人気の秘密に迫ります。

シェフが仕込みをしない理由とは?

ガラス張りのオシャレな外観

飲食店であればどんな業態であれ「仕込み」は大切なプロセスになります。ではなぜシェフは事前に仕込みをしないのかというと、理由は簡単。「あまりにも忙しくて仕込み時間がとれないから」です。

実は料理人であると同時に牛の飼育もしている湊シェフ。朝は牛の世話に仕入れに忙しく、とても下準備をしている余裕はないのだと言います。

しかし自ら牛を育てているだけあって、シェフはまさに「職人」とも言うべき牛肉のスペシャリスト。コースにはシェフが手塩にかけて育てた牛肉がふんだんに使われ、その美味しさを余すところなく堪能できるのです。

長時間滞在は大変?そんなことないんです!

牛肉のタルタルとライ麦トースト

平均4時間半の滞在と聞くと、「そんなに座っていられない」と感じる人もいるでしょう。しかしこれにはメリットもあります。

まず1つがカウンターでリアルタイムにシェフの調理風景が見られるということ。メニュー表がないので「なにができ上がるんだろう」というワクワク感が楽しめるのも魅力の一つです。

そして何より素晴らしいのが「できたて」の美味しさを味わえるという点。フレンチやイタリアンは料理を一度常温に冷ます場合が多いですが、「熱いものは熱いうちに」が日本人のスタンダード。

ここ『カテクオーレ』では料理もパンも何もかもができたて熱々で、1番美味しい状態で料理をいただくことができるのです。

料理は下準備ナシ!でも、妥協もナシ!

イタリアの揚げパン料理パンツェロッティ

一般的にシェフが1人で料理を担っている場合、提供スピードを考慮してシンプルな料理になることが多い傾向にあります。しかし湊シェフは一切の妥協なし。自分が本当に美味しいと思ったものなら手間を惜しみません。

特に驚かされるのがパンツェロッティというイタリア・プーリア州の郷土料理。揚げパンの一種で中にトマトやチーズなど具がゴロゴロと入っているのが特徴です。

調理風景をライブ感覚で楽しめます

もちろん『カテクオーレ』で出されるパンツェロッティはただの揚げパンではありません。調理はなんと生地をこねるところから始まり、中にはトマトやチーズのほかに牛の肉味噌や車エビ、アミエビ、豚のトリッパ、イチゴなどなど地元の食材がこれでもかと詰められています。

一つ一つ塩茹でにしたり炒めたり、とても1人で行う作業量ではありません。たっぷり約45分待ちますがその味は格別。一見バラバラに思える組み合わせですが実際に食べてみると驚くほど計算されているのです。

肉職人が届ける最高の肉料理

断面も美しいリブロース

ここで気になるのがやはり肉料理の存在。さすが自ら牛を育てるほどの肉のスペシャリストのお店だけあって、『カテクオーレ』ではメインのお肉が2皿も出てきます。異なる2つの部位はそれぞれに適した方法で火を入れられ、シンプルに塩のみでいただきます。

取材時に提供されたのはサーロインとリブロース。同じ1頭の牛からとったお肉ですが、部位が異なるだけで風味も柔らかさも変わるのが面白い。火入れの具合も抜群で、シェフの技術の高さは脱帽ものです。

唯一無二、待ってでも食べたい料理

デザートは作りたてのとろけるパンナコッタ

実際に『カテクオーレ』で食事をした人はきっと「あっという間に時間が過ぎた」という感想を持つのではないでしょうか。

気づけばシェフの調理風景に魅せられ、あっという間にデザートの時間。むしろ「もう終わってしまうのか」と感じる人もいるかもしれません。

「ここでしか味わえない」そんな料理を求めて伊万里まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。きっと感動的な料理に出会えますよ。

katecuore (カテクオーレ)

住所

佐賀県伊万里市立花町3997-4

営業時間 ランチ12:30~ ディナー19:00~
定休日 不定休
  ※記載のデータは取材時のものです。