江戸時代のうどんとは?その歴史をフードマニア編集部が解説

ツルツルもちもちの食べ応えが人気のうどん。とても歴史の長い食べ物ですが、江戸時代のうどんは今では少し珍しい味付けやトッピングで提供されていました。

ここでは和食に関する本を出版しているフードマニア編集部が江戸時代のうどんを解説していきます!

江戸時代初期のうどんは醤油味ではなかった!出汁醤油が定番になったのは元禄時代以降

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今では愛知県の郷土料理としての印象が強い味噌煮込みうどんですが、江戸時代に入りたての頃はうどんと言えば味噌煮込みうどんが基本だったのです。

現在のようにかつおの出汁と醤油で味付けするのが一般的になったのは、元禄時代(江戸時代中期)になり全国的に醤油が流通するようになってから。ちなみに、初めて醤油味で提供するようになったお店は、うどんの本場ともいえる香川県の老舗店だと言われれています。

江戸中期以降、うどんのトッピングはどんどんバリエーション豊かに

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醤油が流通し、ますます人気になったうどん。江戸時代の中期から後期にかけて、トッピングの種類もどんどん増えていきます。江戸時代末期に書かれた風俗考証書『守貞謾稿(もりさだまんこう)』によると、「しっぽく」や「あんぺい」、「小田巻」、「けいらん」というトッピングが一般的であったとされています。

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「しっぽく」は、うどんの上に玉子焼き、椎茸、クワイの実、かまぼこなどを載せたもので、「あんぺい」はこの上に葛醤油(くずしょうゆ)と呼ばれるとろみのある醤油をかけたもの。「小田巻」はしっぽくの上に溶き卵を入れて蒸したトッピングでした。また、「けいこく」は現在の卵とじうどんの原型だとされています。

これらのうどんは多少変化しつつも、現在でも各地の郷土料理や風邪の時の定番料理、人気のトッピングメニューとして生き続けています。

江戸時代のうどんはみそ味だった!江戸中期以降はだし醤油や多種多様なトッピングの登場で現在のうどんに

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江戸時代初期、味噌煮込みで提供されていたうどん。江戸時代中期に入り醤油が全国的に普及したことで、現在のような醤油ベースのうどんが誕生しました。江戸時代中期から後期にかけては、卵とじや天ぷらなどがトッピングされるようになったのです。

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています