なぜそばに“トンカツ”を入れるのか……?名物「かつそば」の魅力に迫る!神楽坂の老舗「翁庵」
カツカレーといい、カツ丼といい、トンカツは「トッピングの王様」というべき存在。しかし、それは“ご飯”においての話。うどんに関してはイマイチそのスペックが活かされず、天ぷらのほうが圧倒的に相棒感があります。
さらにそばに関しても「コロッケそば」のほうがメジャーでトンカツを入れることはほぼなかったのですが……なんと東京・神楽坂にはトンカツとそばを見事に合わせた伝説のメニュー「かつそば」があるというんです!今回は冷やし麺マニアの冷やし麺’s ナンノがかつそばの魅力とともに「翁庵」さんをご紹介!
なぜそばに“トンカツ”を入れることになったのか……?その真相に迫る
というわけで、翁庵さんがある神楽坂へ!都内でもレトロな雰囲気で人気のエリアである神楽坂。翁庵は神楽坂の入口にある明治17年創業の老舗で、古き良き「そば屋さん」の雰囲気が魅力なのですが……ここのウリはそれだけじゃない!それが看板メニューである「かつそば」。
いかがでしょう?この組み合わせ。うーん、なんだか今まで頭の中にあった「そば観」や「トンカツ観」が一気に壊れるような不思議なメニューですね。コロッケそばがあるのだから、別にトンカツをのせたそばがあっていいじゃない!……とは思うものの、老舗のメニューなのに「明らかに新しい何か」が脳にインプットされてしまいます。
実はこのかつそば。40年以上愛される翁庵を代表するメニューで、これを目当てに訪れるオールドファンも多いとのこと。昔から店の周囲は大学が多く、あまりお金のない学生に向けて、そばとかつ丼の両方をリーズナブルに味わえるよう開発したというから涙が出てきますね。
主役であるトンカツはそばに合うようにわざわざ精肉店でかつそば専門のトンカツとして注文しているとのこと。一般的なトンカツ専門店のように厚い肉に衣がたくさんのったタイプではないのですが……一口食べると驚き!そばとめっちゃ合うんです。カツオをメインに出汁をとった濃口醤油のつゆと相性は抜群。冷やしにすると、カツはつゆを上からたっぷりとかけてくれるので、つゆがソースのような存在に!そして、衣がつゆに入っても全く濁らないというから匠の技を感じますね……。
丸天そばもうまいぞ!
明治17年創業の老舗でありますが、常に新しいメニューに挑戦しているのもまた魅力!こちらの「丸天そば」もそのひとつ。丸天とは、魚のすり身を円状にして油で揚げた練り物で、一般的にさつまあげのこと。九州ではうどんと一緒に出されることが多いのですが、揚げ物と相性の良いそばでも合うのではないか?と考案されたちょっと志向を変えたメニューです。
翁庵のそばつゆは、濃口醤油風味のつゆではあるのですが、冷やしにすると丸天のタンパクな味わいがマッチするんですよ!丸天もわざわざ九州から取り寄せており、ボリュームがあるものの、あっさり風味でそばと相性抜群。
そばに“トンカツ”を入れる理由は、相性抜群だから!
そして、このお店のサービス精神は、「かつそば」だけではないんです!そばに関しては、周辺に大学が多いことから盛りが多く、並でも350gとボリュームたっぷり。こういう気遣いが腹ペコの学生にはホントに嬉しいですよね。
そばの盛りも素晴らしいし、さらにそのトッピングも革新的でそばと合うから素晴らしい……神楽坂を訪れた際はぜひかつそばを味わいながら、そばというものに関して深く考察するというのもおすすめ!
翁庵そば店
住所 | 東京都新宿区神楽坂1-10 會田ビル1F |
営業時間 | 月~金11:00~14:30(L.O) 17:00~21:00(L.O.20:30) 、土・祝11:00~17:00(L.O.16:30) |
定休日 | 日曜、不定期 |
※記載のデータは取材時のものです。営業時間は変更になることもあります。 |
プロフィール
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夏でも冬でも麺の選択肢は冷やし麺オンリー!冷やし麺だけを求めて各地を飛び回るナンノが、めっちゃおいしい冷やし麺を解説していきますよー。
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