ココアの歴史とは?チョコレートの違いは?お菓子マニアが解説

ココアは子供から大人まで気軽に楽しめる甘い飲み物。フラボノイドやカテキンを含む健康飲料として見直されている飲み物ではありますが、どうやって日本に伝わったのでしょうか?

ここではスイーツに関する本を多く出版してきたお菓子マニア編集部がココアの歴史について解説していきます。チョコレートに詳しくなりたい人におすすめ!

ココアとチョコレートの違いは?

画像素材:写真AC

まず、ココアとチョコレートとの違いを解説していきましょう。チョコレートはカカオマスに砂糖や乳製品を加えたもののことで、ココアは、カカオマス(磨砕され、どろどろになったカカオ豆)から脂肪分(カカオバター)の一部を除いて粉にしたもののこと。

欧米では「ホットチョコレート」というココアと似た飲み物もありますが、これはカカオバターが入った粉末を使用して作る飲み物で、ココアに比べてコクが出て濃厚な味に。ココアはカカオバターが入っていない分、すっきりとした味わいになります。

現在の日本ではチョコレートといえば、「食べるチョコレート」が主流ですね。実は飲むチョコレートに比べると、食べるチョコレートははるかに歴史が浅いのです。

いつチョコレートと分かれた?

画像素材:写真AC

ココアの歴史は意外と古く、古代メキシコが発祥だとされいます。13~16世紀に栄えたアステカ帝国では、ココアの木の種子であるカカオ豆を、伝説の神ケツァルコアトルが人間に与えた賜物として尊び、薬や通貨としても用いていたとされています。

16世紀のヨーロッパ大航海時代にヨーロッパに伝わり、フランスの啓蒙思想家・ヴォルテールは、『百科全書』に「ココアは老人の乳」と記すほどに流行しました。17世紀にチョコレートで作ったお菓子が登場すると、ようやくこの頃になってココアとチョコレートの違いが出てくるようになりました。

現在の主流である粉末ココアが誕生したのは19世紀

オランダのヴァン・ホーテンは1826年にカカオ豆の脂肪分を取り除いた「粉末ココア」を作ることに成功。その後、粉末ココアはヨーロッパに広がっていきました。日本では、大正8(1919年)年に森永製菓からミルクココアが発売され、これが日本のココア第一号。とはいえ、本格的に普及したのは第二次世界大戦後で、今ではスーパーマーケットでも手に入るお手軽な飲み物になっていったのです。

※画像はイメージです
※MOOK「料理と食シリーズNo.13 コーヒー」に掲載した内容を再編集しています