けんちん汁とはどんなもの?ほかの汁ものとの違いは?和道一筋がわかりやすく解説!
皆さんはけんちん汁を食べたことがありますか?だいこんやにんじん、ゴボウや里芋などの根菜を中心に作られるすまし汁のことで、精進料理のひとつなんです。どこか独特な名前をしていますが、この名前の由来は鎌倉時代中期に北条氏が北鎌倉に創建した「建長寺」にあると言われています。大河ドラマの「鎌倉殿の13人」にも出てきたお寺ですよね。
この記事ではけんちん汁の特徴やほかの汁ものとの違いについて、和道一筋がわかりやすく解説していきます。
そもそもけんちん汁とは?
けんちん汁とは、だいこんやにんじん、里芋などの根菜を中心にした野菜と、キノコ類、こんにゃく、豆腐などを入れて作られるすまし汁のこと。食べやすく切った具材をごま油で炒めてから、昆布やしいたけからとっただしを加えて煮込み、しょうゆで味を調えながら豆腐を崩して入れていきます。
家庭や地域によって具材は違いますが、野菜類や海藻などの植物性の食材のみで作られる「精進料理」なので、肉や魚などの動物性食品は使われないんですよ。
けんちん汁の由来は?
けんちん汁は「建長寺」というお寺では700年以上も前から食されていました。ここから建長寺で修行している僧侶が各地に派遣されるときに、全国に広まったんだとか。この建長寺の汁、「建長汁」であったことが訛って、いまの「けんちん汁」になった説があるんですって。
けんちん汁と豚汁との違いは?
豚汁とは、根菜やこんにゃく、豆腐などを炒めてから煮込んで、豚肉を入れた汁もののこと。けんちん汁に肉を加えたものとも、イノシシ鍋であるぼたん鍋から派生したものとも言われています。
つまり、精進料理であるけんちん汁と違い、豚汁には豚が入っているのが大きな違いです。
けんちん汁とのっぺい汁との違いは?
のっぺい汁もけんちん汁と同じように、根菜類を中心に作られる汁ものです。こちらも材料はよくは似ていますが、片栗粉でとろみをつけるところが大きな違い。また、鶏肉を使うことが多く、地域によっては鮭やかまぼこを加えるんだとか。
けんちん汁とは、根菜類を中心に煮込みしょうゆで味付けした精進料理のこと!
けんちん汁とは、だいこんやにんじん、里芋などの根菜を中心とした具材をごま油で炒めてからだしを加えて煮込み、しょうゆで味を調えた汁もののこと。肉や魚を使わない精進料理であるけんちん汁を、建長寺で修行をしていた僧侶の気持ちになって一度食してみてはいかがでしょうか?
※画像はイメージです。
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