オリーブオイルについてどこまで知ってる?正しい選び方は?ボ~ノ・イタリア~ノが「The Authentic Italian Table 2022」および「Japan Olive Oil Prize 2022」のプレスイベントをレポート
みなさんの家にはオリーブオイルがありますか?もしかしたら、どれがいいか分からないまま値段で選んでいる、何に使えばいいか分からなくて買ったことがないという人もいるでしょう。
今回は、2022年6月8日に行われた在日イタリア商工会議所が主催する、真のイタリアの食文化を伝えるイベント「The Authentic Italian Table 2022」、および「Japan Olive Oil Prize 2022」のプレスイベントに突撃!イベントではオリーブオイルの選び方やその魅力についていろいろと学んだので、その内容をレポートします。
— 目次 —
「The Authentic Italian Table 2022」と「Japan Olive Oil Prize 2022」プレスイベントについて
みなさんは「イタリアンサウンディング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「イタリアンサウンディング」とは、イタリアを想起させるようなパッケージでありながら、実際にはイタリアとは何も関係のないフェイク製品のことを指します。このフェイク製品が本物のイタリア製品の市場シェアを奪うことが長年問題になっています。「The Authentic Italian Table 2022」とは「真のイタリア製品の価値や魅力を伝えること」を目的としたイベントでもあるのです。
一方の「Japan Olive Oil Prize 2022」プレスイベントとは、世界的に権威のある国際オリーブオイルコンテストのPRイベント。その年に受賞したオリーブオイルの紹介や、オリーブオイルの魅力を伝えることを目的としています。
オリーブオイルの魅力
サラダ油やごま油、菜種油など、私たちの食卓に身近な油が主に植物の種から搾油しているのに対し、オリーブオイルは実から油を搾るのが特徴。言わばオリーブオイルとは、オリーブのジュースのようなものなのです。ご存知の方も多いと思いますが、イタリアは世界でも有数のオリーブオイル生産地。特にイタリア南部のシチリア島の料理にオリーブオイルの存在は欠かせません。
オリーブオイルの魅力はその香りの良さだけにとどまらず、栄養面にも優れています。実はオリーブオイルは抗酸化成分であるポリフェノールが多く含まれる食品。「抗酸化」とはガンなどの病気のリスクを軽減してくれる働きのこと。その証拠にオリーブオイルを料理によく活用しているイタリア人の寿命は長く、長寿の国ベスト10に名を連ねるほどです。
よく聞くエキストラバージンオリーブオイルとは?
オリーブオイルを買うなら「エキストラバージンオリーブオイル」が良いというのはよく聞く話ですが、普通のオリーブオイルとの違いがどこにあるかご存知でしょうか?
日本で市販されているオリーブオイルは、一般的なピュアオリーブオイルとエキストラバージンオリーブオイルの2つに分けられます。そもそもエキストラバージンとは、オリーブの実だけを原料とし、化学的な工程を挟まないでつくられるオリーブオイルのこと。そこにさらに国際オリーブ協会が提唱する「酸化が進んでいない」「風味が損なわれていない」などの厳しい条件が満たされて初めて「エキストラバージン」と名乗ることが許されるのです。
一方のピュアオリーブオイルは、エキストラバージンの規格から外れ精製されたオリーブオイルに、バージンオリーブオイルを混ぜ合わせて、香りを足したもののことを指します。そのためエキストラバージンのほうが香りが良く、高値で取引されているのです。
オリーブオイルの正しい選び方をオリーブのスペシャリストに聞いてみた
ひと口にオリーブオイルと言っても、ワインのようにその種類は多岐にわたります。品種や収穫時期、搾油の方法が味に影響し、全く異なった「辛み」や「苦み」、香りを生み出すのです。
実際にオリーブを栽培し、自身でオリーブオイルの生産も手掛けている『OLIVA SICULA(オリーバシクラ)』の代表スケンバリ・ルーチョさんに、オリーブオイルの正しい選び方を伺ったところ、「一番は、やはり自分の好みに合ったものを選ぶのが良い」とのこと。お店側としては「このオリーブオイルにはこういった料理が合う」といった提案をしますが、基本的にどんな料理にも合うのがオリーブオイルの魅力。自分が気に入ったものを使用するのが1番だと語ります。
とは言っても、もちろん「良いオリーブオイル」と「そうでないオリーブオイル」には明確な違いが存在します。良いオリーブオイルの特徴は、酸化しておらず抗酸化成分であるポリフェノールが豊富に含まれているところにあります。実はオリーブオイルを口に含んだ時に感じる辛みや苦みの正体は、ポリフェノール。実の収穫後、いかに早く搾油できるかでオリーブオイルの品質は決まるのです。
ルーチョさんの畑では、搾油所を畑に併設することで運送時間を短縮。またオリーブの樹を傷つけないために作業はすべて手作業で行っていて、それによりフレッシュで高品質なオリーブオイルが生み出すことができます。
オリーブオイルの試飲で知っておきたいポイント
大手デパートなどではオリーブオイルの試飲を行っているところも少なくありません。その際にぜひ試していただきたいのが、「オリーブオイルを手で温める」ということ。
オリーブオイルは熱を加えることで香りが立つ食品です。そのためカップなどに入れられている場合、カップの底を包み込むようにして持ち、手の熱で温めるのがおすすめです。また、より香りを感じるために、もう片方の手で蓋をするのもポイントです。3分ほどしたらその香りを確かめてみましょう。トマトや青りんご、青々しいオリーブなど、それぞれのオリーブオイルが持つ香りをダイレクトに感じられますよ。
少量を口に含んだ後は、ワインのように「ズズッ」と空気を含ませて口の中で転がします。舌全体で香りを楽しんで、喉の奥で辛さを感じるものが「良いオリーブオイル」の証です。
プロに聞いたオリーブオイルのアレンジ
焼き肉や焼き魚をはじめ、カルパッチョ、サラダのドレッシング代わりなどさまざまな場面で使えるオリーブオイル。普段使用している油をオリーブオイルに変えるだけでも、一気に香りに深みが出ておすすめです。
ちょっとユニークなアレンジ方法としては、豆腐にオリーブオイルと醤油をかけたものや、アイスクリームにオリーブオイルをかけたもの。馴染みの食材に高級感を感じられますよ。
ちょっと辛みを感じるのが良いオリーブオイル!
実はかなり奥が深いオリーブオイル。飲んでみた時に喉奥に辛みを感じるものが、ポリフェノールが豊富に含まれる良いオリーブオイルの証拠。先述した通り、自分の好みのものを買うのが1番ですが、中には加熱をしないほうが香りを楽しめるオリーブオイルもあるので、目的に応じて選んでみてくださいね。
画像提供:在日イタリア商工会議所
プロフィール
-
カジュアルさが魅力のイタリアン!意外と知らないイタリア料理の知識や、全国の「ボーノ!」なレストランを紹介していきますよ!
記事一覧はこちら
最新の記事
- 記事2024.06.14セモリナ粉とは?ボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説
- 記事2024.01.22ブレザオラとはどんなもの?美味しい食べ方は?ボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説
- 記事2023.09.20リゾットとはどんなもの?雑炊やおかゆとの違いは?ボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説
- 記事2023.09.14ピンサとはどんなもの?普通のピザとの違いは?ボ~ノ・イタリア~ノがわかりやすく解説