鍋の野菜が美味しい理由は?鍋におけるキノコの役割は?和道一筋がわかりやすく解説!
さまざまな具材が楽しめる「鍋料理」。生の野菜は苦手だけど、お鍋の野菜は食べられる!という経験がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、鍋に入れる野菜やキノコが美味しくなる理由について和道一筋がわかりやすく解説していきます。
お鍋の野菜が美味しい理由は?
鍋料理の材料として用いられる野菜類には、加熱によって甘味の出るものが多くあります。例えば、多くの野菜に含まれている「硫黄化合物」は、熱が加わると甘味のある物質になるのが特徴です。特に、ねぎ類、大根やキャベツのような菜の花科の野菜は、辛味のある「硫黄化合物」を含み、熱が加わると自然な甘味がつくため、鍋料理に適しています。
これに加え、野菜には甘味物質の主体である「ブドウ糖」も含まれているため、鍋にすると美味しさが引き立ちます。玉ねぎや長ねぎ、人参、かぼちゃの甘味は、この天然のブドウ糖によるものなのです。
なぜお鍋にキノコ類をいれるの?
キノコ類には、香りと旨味があり、椎茸は特に旨味成分が多いのが特徴です。この旨味成分は「グアニル酸」と呼ばれる「アミノ酸」の一種で、昆布や醤油・味噌に含まれる「グルタミン酸」と合わさると、相乗効果で旨味が強くなります。「グアニル酸」は生の椎茸には存在しないので、鍋で加熱することにより、効果が引き出されているんですよ!
また、舞茸には「ポリフェノール」という成分が含まれていて、煮たり、茹でたりすると、茶色い煮汁として出てきます。「ポリフェノール」には抗酸化作用があり、動脈硬化などの生活習慣病の予防・改善にも期待できると言われています。アクと勘違いしがちですが、煮汁には舞茸の栄養価が詰まっているので、鍋やスープで摂取できるのが魅力です。
旨味や体に良い成分を多く含むキノコ類ですが、加熱によって旨味成分が引き出されるため、鍋に入れるタイミングが肝心。一般的に、60℃~70℃で旨味成分が増すので、鍋に入れるときは、お湯が沸騰してから入れるのではなく、「水」から入れるのがベストです。
鍋の野菜やキノコには甘味物質や旨味成分が豊富!
鍋に入れると、より美味しさを感じられる野菜やキノコ。加熱することで甘味成分や旨味成分が鍋に溶け出すのが特徴です。皆さんも、ぜひ鍋料理に合うお好みの野菜やキノコを見つけてみてはいかがでしょうか。
※画像はイメージです。
※「料理と食シリーズ No.6 鍋料理 汁料理」に掲載した内容を再編集しています。
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和の道一筋の人間が和食に関する素朴な疑問を解説。全国津々浦々、日本料理の名店も紹介していきます。
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