料理に適した鍋の形は?フードマニア編集部がわかりやすく解説!

調理に欠かせない鍋。「焦げにくい鍋が欲しい」など、鍋を購入する際に悩む人も多いのではないでしょうか。どんな料理にも使える万能な鍋の需要が高いですが、実は、調理方法に合った鍋を選ぶことも重要なポイントなんですよ。

この記事では、料理に適した鍋についてフードマニア編集部がわかりやすく解説していきます!

料理に適した鍋の形は?

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鍋にはさまざまな形のものがありますが、料理の種類や熱源などによって適した鍋があります。まず、熱源がガスや炭火の場合は、鍋は丸底が適しています。これは、ガスの炎を鍋に広く均一に当てるためで、底が緩やかなカーブのものが最適です。ただし、電熱の場合は熱量が逃げてしまい上手く加熱できないため、底が平たいものを使うのがおすすめです。

また、すき焼きを作る際には醤油が均一にいきわたるよう、底が平らな鍋を使用するなど、料理によっても鍋の向き不向きがあります。おでん鍋は、小さな火で温めるため、材料には熱伝導のよい銅鍋が使われるなど、鍋の素材も料理に影響を与えているのです。

鍋の種類 9選!

土鍋

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和食の鍋料理に欠かせない土鍋。熱伝導は低いですが、熱が直接素材に当たらないので、火当りが非常に柔らかいのが特徴です。会席料理に使われることの多い「一人鍋」や、たれも温められる「湯豆腐鍋」、底の浅い「川柳鍋」など、土鍋にもさまざまな種類があります。

鉄鍋

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鉄鍋は熱が均一に伝わり、保温性が高いので、さまざまな料理に活躍します。ほとんどの熱源で対応でき、最近では電磁調理器に使えるものも。酸や水気に弱く、さびやすいので注意が必要ですが、丈夫で長持ちするのが特徴です。

鉄鍋にも種類があり、用途によって使い分けることができます。周囲に段が付いているものは、吹きこぼれにくいので食卓で囲む鍋料理に最適です。ホーロー素材(金属素材の表面にガラス質を加えたもの)の鍋はお手入れがしやすく、扱いやすいのが魅力。広口で浅いものは寄せ鍋などの調理に向いています。

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また、鉄製の厚手の洋鍋は、洋風の煮込み料理に大活躍。焦げ付きにくいので、安心して長時間煮込むことができます。近年では、「ダッチオーブン」という鍋の人気が高く、「焼く」「煮る」「蒸す」など、さまざまな料理に使えるのが魅力です。

↓土鍋と鉄鍋の違いについて知りたい方はこちら!

おでん用鍋

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おでん用鍋と言えば、お店にある大型のイメージがありますが、家庭用にさまざまなサイズや材質で作られたものがあります。例えば、南部鉄器で作られたものは、熱伝導と保温性に優れ、ゆっくりと煮込むおでんに最適。他にも、仕切りが取り外し可能なアルミ製のもがあり、他の料理にも使えて便利です。

すき焼用鍋

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すき焼用鍋は、厚手の鉄製で出来ていて、醤油などのたれが焦げ付きにくいのが特徴です。また、材料にムラなく火を通すため、底が平らになっています。

しゃぶしゃぶ用鍋

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中国の鍋がルーツと言われている「しゃぶしゃぶ用鍋」。一般的に銅製の鍋が知られていますが、比較的入手しやすく、お手入れも簡単な鉄製やステンレス製の人気があります。また、アルミ製は熱伝導が良く、手入れもしやすいため、家庭で使われることが多い素材です。アルミ製鍋に見られるぼこぼことした表面は、打ち出すことで強度を増し、耐久性を高めているんですよ。

火鍋

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下部にロウソクなどの固形燃料を入れて鍋全体を温め、肉や野菜を煮ながら食べます。素材は銅や真鍮(しんちゅう)などさまざま。中央の煙突に炭を入れ、下の受け皿には水を張り、灰などが飛び散るのを防ぐ構造になっています。宮廷鍋には龍などの装飾が施され、火の動きと明るさで龍が動いて見えるようにするなど、見た目も華やかなものが多いのが特徴です。

汽鍋(チーコー)

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中国の陶製の鍋。具材を入れて蓋をし、蒸し器にかけることで、中央の汽孔から蒸気が出て、蒸し煮の状態で調理されるのが特徴です。蒸留水で作られた、栄養分を逃さない澄んだスープを作れるのが魅力で、素材の味を楽しむことができます。

石鍋

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石からの遠赤外線で、焦がさずに素早く中まで温まるのが特徴。遠赤外線の効果により、素材の味を活かした料理が作れます。韓国にはさまざまな石鍋があり、すき焼き用の平たいものから、家庭でも使いやすい、ガラス蓋が付いたものまでバリエーション豊富。また、「ビビンバ」をはじめ、韓国で多用される石鍋ですが、チベット料理など、他国でも使われる料理鍋の一つです。

その他

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日本のしゃぶしゃぶ鍋のように、料理に合わせて進化してきた鍋。北海道の代表的な郷土料理として知られる「ジンギスカン」にも、それ専用の「ジンギスカン鍋」があります。また、調理に欠かせない鍋は、世界各地にもユニークなものが多く、それぞれに特徴があります。例えば、スイスの鍋料理「チーズフォンデュ」に使われる鍋は、温度変化のムラが少なく、食卓で使いやすい構造になっています。

他にも、大勢で料理を囲む代表的な料理に「パエリア」がありますが、サイズの直径が約16㎝のものから100人用の90㎝程のものまでさまざま。ラテン語で「フライパン」という語源を持つ「パエリア」は、生米をじっくりと炊き上げるため、平たい厚手の鉄鍋がおすすめです。

鍋の種類はさまざま!

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世界にはさまざまな種類の鍋があり、料理や調理方法によって構造が違うのが特徴です。皆さんもぜひ、鍋料理を食べに行く際は鍋の形や素材に注目し、鍋選びの参考にしてみてくださいね。

※画像はイメージです。
※「料理と食シリーズ No.6 鍋料理 汁料理」に掲載した内容を再編集しています。
※「料理と食シリーズ No.35 大人気 鍋料理 煮込み料理」に掲載した内容を再編集しています。