1980年代の金沢の洗練された喫茶店メニューを覗いてみよう!「喫茶&スナック1983年8月号」
1980年代、喫茶店は客を呼ぶためにコーヒーだけでなく、さまざまなメニューを開発して提供していました。特に金沢は「和」を取り入れた独創的なメニューがたくさん!
もちろん、今でも現役の定番メニューはたくさんあるのですが、現代では考えられないどこかレトロでユニークなメニューもたくさんあったのです!ここでは昭和58年(1983年)に旭屋出版から刊行された「喫茶&スナック8月号」を見ながら、過去の喫茶店の世界を巡ってみましょう。
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1980年代、金沢の喫茶店は車社会の進展によってより洗練されたメニューに!
フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く作っており、1980年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶&スナック」を制作していました。今回は昭和58年(1983年)に発売された8月号を見てみましょう。
記事によると、当時の金沢の喫茶店は、大都市に負けないような洗練されたメニューがたくさん見られたとのこと。車の利用が増えると大都市に行く地方の人口が増え、そこにある最新の喫茶店メニューを味わうことで、地方のメニューを厳しく見るようになり、進化していったのです。それでは、そんなお客の厳しい目によって磨かれた金沢のメニューを覗いてみましょう。
和風にアレンジ!上品なデコレーションのデザート
カップル客用のデザートとして開発されたのがこちら。円形の卓にのった容器には周囲にゼリーやフルーツ、中央にアイスやシャーベットを盛り付けたロールカステラがのっています。卓は回転するので、どのデザートも取りやすいようになっており、とても便利だったそう。見た目もカラフルで、お客を飽きさせない工夫を凝らしていますね。
パイとシャーベットの2つのデザートがペアになった和風スイーツ。パイの中にはヨーグルトが入っており、キウイとホイップクリームを盛り付けています。シャーベットはクレープで包んで、オレンジとホイップクリームを添えており、1つで2つの異なる味を楽しめるメニューでした。黒い持ち手の容器は、色鮮やかなデザートと対照的で上品で落ち着いた雰囲気に。
こちらは有田焼の小鉢を容器に使用したプリンパフェ。ソフトクリームをベースにシャーベットやプリンを加え、フルーツやホイップクリームで飾り付けています。パフェというと一般的には「和」のイメージはあまりありませんが、このパフェは「和」と「洋」を見事に合体させたメニュー。
フルーツをふんだんに使った和風フルーツパフェ。底にはバニラとチョコレートの2種類のソフトクリームが入っています。曲げわっぱといえば、弁当箱のイメージがありますが、デザートをのせる容器としても映えたんですね!
ちょっぴりゴージャス!コーヒー&紅茶メニュー
「ジョッキコーヒー」はアルコールが入った大人のためのアイスコーヒー。アイスコーヒーにバーボンウイスキーと砂糖を加え、ミキサーで混ぜることでビールのような泡を再現。メニュー表に「爽やかに、黒ビール感覚で、ぐいっとやろう」と書かれているように、ビールのごとく豪快に飲むという、お酒のように楽しめるコーヒーでした!
高級感あふれる「金箔コーヒー」は金箔の生産地として有名な金沢ならではのメニュー。金は血液を浄化するという古い言い伝えがあり、常連客はもとより、観光客にも好評だったもの。気軽に贅沢な気分を味わいたい人に、まさにうってつけの一品だったのでしょう。ティースプーンも金色になっているので、より高級感を演出していますね。
デキャンタといえばワインをボトルから移す時に使う容器ですが、それを紅茶に応用したのがこちら。注文の度にお客さんの前でデキャンタからグラスに注いでくれたとのことですが、デキャンタから紅茶が注がれるという光景はまるでワインのよう!
まるでジュエリー!?美しい輝きを放つケーキ
こちらは3枚重ねのスポンジケーキで、キウイや洋梨などのフルーツとホイップクリームをたっぷり挟んだもの。上にミカンをのせることで色合いを豊かに。しっとりとした口当たりと、絶妙な味わいで人気のメニューだったそう。
「ヨーグルトケーキ」はその名の通り、ヨーグルト風味のケーキ。ふわっとした舌触りのヨーグルトムースとペパーミントゼリーをのせ、レモン風味のヨーグルトソースをかけたこのケーキは、余計なものを省いたシンプルな見た目で実に爽やかな一品ですね。透明感のあるペパーミントゼリーの色合いが非常に特徴的。
こんな容器に入れちゃうの!?人気のプリンメニュー
クリームソーダとプリンパフェを合体させた創作メニューがこちら。グラスにメロンソーダを注いでバナナと桃を入れ、ソフトクリームをのせた上にプリンやフルーツ、ポッキーなどで盛り付けたメニューになっています。ブーツ型の可愛い容器は女子高生に大変人気だった模様。一緒に入った人がこれを注文したら、自分も注文してみたくなりますね!
プリンをビールジョッキに入れて、男性客にも受け入れやすくすることを目的に作られた創作プリン。プリンの下には何層にもソフトクリームやコーヒーゼリーなどが入っています。確かにビールジョッキに入っていたら男性でも抵抗なく注文できるかも?1日に50個も注文されていたようで、斬新なアイデアで人気を博したメニューでした。
ありえないほどボリューミー!豪快なクロワッサン
クロワッサンをデザートメニューとして活用したのが、こちらの「チョコレートクロワッサン」。2枚にスライスしたクロワッサンにバニラアイスクリーム、ホイップクリーム、コーンフレークやチョコレートシロップを組み合わせたもの。クロワッサンとアイスクリームは相性がかなり良く、おいしいと好評だったとのこと。ド派手なビジュアルは見ただけでワクワクしますね!
この「クロワッサンサンドセット」は、写真では分かりづらいですが、なんと長さが20cmもある特注のクロワッサンを使用しているんです!中にはスクランブルエッグ、カレー風味に炒めたベーコン、レタスやトマトなどの野菜が挟んであり、食べごたえは十分。ランチタイムを中心に人気のあったメニューでした。
80年代の金沢の喫茶店メニューは今見るとすごく面白い!
喫茶店が全盛期の時代ならではの個性あふれるメニューがたくさんありましたね!ここで紹介したメニューは東京や大阪では見られない「和」を取り入れた独創的なものが多いですが、基本的には現在でも食べられるメニューもたくさん。斬新なアイデアの商品もあるので、おうちで自分で作って食べてみるというのも面白いですね!
※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。
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