ラーメンに使用する海苔はどんなもの?その特徴をラーメンマニアが解説

昔から日本人になじみが深い海苔は、ラーメンに欠かせないトッピングのひとつ。見た目の色合いやボリューム感を添えてくれ、重宝する食材ですが、どんな原料で作られているのでしょうか?

ここではラーメンに関する本を多く出版してきたラーメンマニア編集部がラーメンに使用する海苔について解説していきます。ラーメンに詳しくなりたい人におすすめ!

ラーメンで使用する海苔はどんな種類?養殖方法を解説

画像素材:写真AC

海苔の原料として日本で養殖されている品種は、スサビノリが主流。ラーメンに使用されるような海苔は主に太平洋側の都道府県で栽培され、主な漁場は、宮城、愛知、三重、兵庫、香川、佐賀、福岡…と日本全国に分布しています。

海苔の養殖方法には「支柱式」と「浮き流し式」の2種類があります。支柱式養殖法は、干潟に支柱となる竹を固定して、そこに海苔の胞子を付着させた網を張る方法。干満の差によって網は水面にあらわれ、日光にさらされて光合成が活発に行なわれるために、柔らかく、味の良い海苔が育ちます。九州有明地区で昔から採られている方法でもあります。

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一方の浮き流し式養殖法は、沖合いに海苔の網を浮かべて、常に海苔が水中に漂う状態にして栽培する方法。汐の流れにもまれた海苔は色が濃く、しっかりとした硬さのものに。これは瀬戸内海地区で中心的な方法です。

海苔の旬は、摘み取りが行なわれる11月~3月の期間。この時期の新海苔が味、香りともに最も優れていますが、現在では保存技術の進歩により日常的に高品質の海苔が提供されるように。市販の海苔の賞味期限は平均6~9ヶ月。密閉容器での、冷凍保存が理想的です。

ラーメン店の海苔は一般的な海苔を使用

現在「ラーメン用」として流通している海苔は、ラーメン仕様に特別に生産・加工されたものではなく、瀬戸内海産などを中心に、硬く、スープに溶けにくい、ラーメンに向くと思われる品質のものが選ばれて提供されています。最近では、海苔そのものの味を重視して、柔らかく歯応えのものをラーメン用として選択する店主も増えている傾向に。

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※MOOK「人気店が公開する調理技術ラーメン」に掲載した内容を再編集しています