冷やし麺に求めるのは「食べごたえ」?それとも「さっぱり」?『揚子江菜館』の冷やし中華バリエーション

世の中の冷やし中華は夏の風物詩だけあって基本的にはさっぱり味なのですが、店によっては盛り付けが派手だったり、タレが濃厚だったりとバリエーションもさまざま。

そんな中、冷やし麺の元祖的な存在である『揚子江菜館』さんでは、定番以外にも「新しい冷やし中華」を提供しているんです。今回は冷やし麺マニアの冷やし麺’s ナンノが『揚子江菜館』さんの冷やし麺のバリエーションである「坦々冷麺」と「三絲冷麺」をご紹介。

まずは定番の味付け!90年以上の歴史を誇る定番の「五色涼拌麺」

神保町のすずらん通り沿いにある老舗

明治39年(1906年)創業の老舗中華店『揚子江菜館』さんは定番・冷やし中華で有名な名店。看板メニューである、富士山のように盛られた五色涼拌麺は、なんと90年近くも販売されているというから驚き!

タレは甘めに仕上げていて、飽きのこない味わいになっているのが特徴

麺を山状に盛り付け、キュウリやチャーシュー、錦糸玉子、エビ、うずら卵、肉団子の10種の具材を盛り付けるのが「五色涼拌麺」の基本です。口に入れた瞬間、甘みを感じますが、次第にサッパリとした爽快感を感じるのが老舗ならではのテクニック!

麺は長年付き合いのある製麺所で発注する、弾力のある細麺。汁なし麺だけに麺のコシが出るように、季節によって加水率を変更し、茹で時間もその日に合わせてベストな状態になるように調整しているのです。茹でる時間も、2~4分と時期によって異なるのも特徴。

新しい冷やし中華として開発された「坦々冷麺」

「坦々冷麺」はシンプルにそぼろとピーマン、白ねぎで味わうもので、食べごたえ抜群!

看板メニューである「五色涼拌麺」は冬でも人気が高いのですが、『揚子江菜館』さんではお客の嗜好に合わせた冷やし中華のバリエーションがあるのです。この「坦々冷麺」は夏向けの商品として開発されたもの。今から20年ほど前、黒酢ブームの中、本場の四川風の担々麺も受け入れられてきた頃なので、その2つを組み合わせ「新しい冷やし中華」として考案されました。

食べごたえがあるので、特に夏は「さっぱりしたものが食べたいけど、少し食べごたえもほしい」という男性サラリーマンの需要にぴったり!タレは「五色涼拌麺」のタレに黒酢を組み合わせ、麺にからむように若干濃いめでコクのある味わいに。トッピングは国産ピーマンと白髪ねぎ、豚挽き肉そぼろ。そぼろはXO醤やオイスターソースなどで炒めたもので、野菜と黒酢を組み合わせることで、濃厚な坦々麺の味わいが楽しめる冷やし中華になるのです。

冷やし中華の「さっぱり」をさらに追求したのが「三絲冷麺」

「三絲冷麺」は究極のさっぱりさを目指した一品

そして、もう一つ、新しい冷やし中華として開発されたものはこれ。「三絲冷麺」はアミノ酸を多く含んだ黒酢を使ったメニューを加えたいと開発されたということもあり、さっぱりとしたものを求める女性客に人気です。三絲とは「3つの細長い具材」という意味で、トッピングはピーマン細切り、もやし、裂いた鶏胸肉の3品。

麺は一人前230gと多めなのですが、黒酢をベースにしたオリジナルのタレの効果もあり、非常に軽やかな食べごたえに。コンセプトは「店で最もさっぱりとした品」で、同店の看板メニューである「五色涼拌麺」のコクのある甘みに対して、こちらは非常に爽やかな味わいに。

定番もいいけど、新しい冷やし中華も試してみて!

『揚子江菜館』さんは老舗でありながら、3種類も冷やし中華のバリエーションもあるのです。これは冷やし中華を何十年を作り続けているという老舗ならではのお客へのアプローチですね。コクのあるさっぱりとしたタレのイメージから脱却してみると、新たな世界が待っていること間違いなし!

揚子江菜館

住所 東京都千代田区神田神保町1-11-3
営業時間 11:30~22:00(L.O.21:30)
定休日 年末年始
  ※「近代食堂2019年2月号」に掲載した内容を再編集しています。記載のデータは取材時のものです。